2018年2月 6日アーカイブ

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■ミュージカル「メリー・ポピンズ」特集(1)■

イギリス・ウエストエンド、ブロードウェイをはじめとした世界中を魅了してきたミュージカルが、ついに日本最高峰のキャスト陣で初演を迎えます!

げきぴあキャストインタビュー第一弾は、Wキャストでメリー・ポピンズ役を演じる濱田めぐみさん!自身4作目となるディズニーミュージカルへ挑む濱田さんに意気込みをお伺いしました。

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"ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作発表 より"

メリー・ポピンズが植えた種が何かひとつでも成長してくれたら

――長期間にわたるオーディションで、特に印象に残っていることは?

「オーディションというよりも、まずはメリー・ポピンズの動きのレクチャーを受けたという感覚です。立ち居振る舞いや手の組み方、振り向く時の角度やあごの高さまで、メリー・ポピンズの動きはすべて厳格に決められているので。特に面白いなと思ったのは、『メリー・ポピンズはのけぞらない』と言われたこと。ちょっとでも姿勢がズレると、『はい真っすぐ、のけぞらない!』って。そんなオーディションの日々は今思い出してもヒーッ!て感じですが(笑)、あの段階からすごく熱心に、メリー・ポピンズとしての資質を伸ばそうとしてくださったことは本当にありがたかったなと思います」

――役に対する取り組み方として、普段と変わってくる部分はありそうですか?

「そうですね。まず私が役づくりですることは、役名を取ってしまうことなんです。例えば"花子"という役を演じる時、『私は花子って役なんだ』ではなく、『花子という女性の人生を私が舞台上で生きるんだ』と思うようにしています。そうでないと役名やイメージにとらわれて、それらしく演じようという意識が働いてしまうので。つまり"それらしく"と考えている時点で、すでにそれは花子の意識ではないわけです。でも今回はまず"メリー・ポピンズ"があって、自分がそこに入っていかないといけない。これまでと真逆の役づくりが必要で......」

――その難題をクリアするための手がかりは掴めていますか?

「距離感ではないかと思っています。特にメリー・ポピンズと大人たちとの距離感。彼女はいつ、何をすべきかすべてわかっている、とても人間離れした存在です。そんな彼女が一番寄り添わなきゃいけないと思っているのが、大人なのかなと。子供はピュアな分、ちょっと示唆するだけであとは真っすぐ突き進んでいってくれます。でも大人はねじれてしまっている分、子供たちを導いているところを見せることで、そこから何かを感じてもらわないといけない。その時の距離感を彼女がどう取ろうとしているのか。演出家に導いてもらいつつ、何とか初日までに結果を出せればいいなと思っています」

メリーポピンズ 新ビジュアル1215 h1_濵田.jpg"ミュージカル『メリー・ポピンズ』 より"

――観客にここは注目して欲しいと思うナンバーやシーンは?

「今自分の中ですごく興味があるのは、バンクス家の子供たちと初めて会うシーン。傘を持って降り立つ自分を見て、バンクス家の人たちがどんな反応をするのか、とてもワクワクしています。それから『お砂糖一さじで』がどんな訳詞になるのかも気になりますし、『チム・チム・チェリー』は大好きな楽曲なので早く歌ってみたいなと。ダンスナンバーに関しては大貫(勇輔)くんとカッキー(=柿澤勇人)にどんどん頑張ってもらって(笑)、一気に盛り上がるといいですね。中でも『スパカリ(=スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス)』! みんなでどれだけ七転八倒しながらやることになるのか(笑)、今からすごく楽しみです」

――改めてこの名作を通して、どんなメッセージを伝えられたらと思いますか?

「実はとても深いメッセージが込められた作品だと思うんです。見た目の派手さとか、音楽のよさとか、すべてにおいて完璧な作品ではありますが、それにプラスして今この日本でやるべきものであり、とても心に響く作品だなと思っていて。そして劇場でメリー・ポピンズが植えた種が、ひとつでも心の中で芽を出して、成長していけるような何かを残せたら......。自分の中でもメリー・ポピンズって役がとても大事な役になるだろうと直感していますし、大事に、大事にお稽古をして、皆さまに最高の舞台をお見せ出来ればと思っています」

取材・文:野上瑠美子

撮影:イシイノブミ

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ひぐちアサによる人気高校野球漫画を原作にした舞台「おおきく振りかぶって」が2月2日(金)に開幕、2月12日(月・祝)まで上演中です!

げきぴあ①.jpgそれに先駆け公開ゲネプロと囲み取材が行われ、囲み取材には主人公・三橋 廉役の西銘 駿さん、阿部隆也役の猪野広樹さん、百枝まりあ役の久住小春さん、花井 梓役の白又 敦さん、田島悠一郎役の納谷 健さん、脚本・演出の成井 豊さん(キャラメルボックス)が登壇しました。

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▲ゲネプロ前に行われた囲み取材は和気あいあいとした雰囲気。

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西銘さんは「舞台2作目で初主演ということで、最初は本当に緊張して。千秋楽までちゃんと主演としてやっていけるのかな、という不安はあったんですけど、稽古を経て、今は不安なく千秋楽まで突っ走っていけると思います」と笑顔。続けて作品の見どころを聞かれた西銘さんが言葉に詰まると、猪野さんがすかさず「大丈夫か!」とフォロー。それに安心した表情で「僕が演じる三橋は内気で弱気でっていうタイプなのですが、それをみんながバックアップしてくれて、(猪野演じる)阿部くんのおかげで人間性もどんどん変わって...というところがすごく好きです」と語りました。

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主人公・三橋とバッテリーを組むキャッチャー阿部役の猪野さんは「いろんなスポーツ漫画がある中で『おおきく振りかぶって』は色が確立している作品。今回それをどう出すかが課題でした」と振り返り「そこに出演者22人の個性をプラスして、舞台だからこそできる『おおきく振りかぶって』をみんなでつくりました」。猪野さん個人としても「(成井が代表を務める)キャラメルボックスさんという、ずっと憧れていたところにこうして立たせていただけて......あざっす!」と笑顔を見せると、白又さんからは「軽いな!」とツッコミも(笑)。「好きだからこそ稽古場で戦って、舞台上で戦って、みんなで走り抜こうと思いました」と話しました。

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"モモカン"こと百枝まりあ監督を演じる久住さんは「男勝りな役を今までやったことがなくて、稽古場でも最初は『男に見えない』と言われて悩みましたが、みんなが助けてくれて支えてくれてなんとか初日を迎えられたと思っています」とニッコリ。

e.jpg役作りで頭を丸めた(!)白又さんは、成井さんにとって初となる漫画原作舞台の演出に触れ「2.5次元の作品がたくさんある中で、成井さんが演出をしてつくったらどうなるのかということは観ていただきたいポイントになると思うので。成井さんと僕らとスタッフの皆さんでつくった『おおきく振りかぶって』をぜひ楽しんでいただければ!」と語りました。

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稽古場のムードメーカーだったという納谷さんは「稽古が終わった後に、稽古場で、みんなで野球をするのが楽しくて。そういう、みんなでひとつになっている瞬間がたくさんありました。そうやって絆がどんどん深まって、本番に向けて熱も高まって、いいものがお届けできると思うので、期待してください!」と笑顔。

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成井さんは今作で苦労した点を聞かれると「野球を舞台でやることですね。塁の位置が舞台サイズだとすごく近いので、アウトになるシーンもセーフになっちゃう。それをいかにアウトにするかということを、みんなに相談して。いろんな工夫をしました。僕だけじゃなく役者みんなにアイデアを出してもらって、その結果、ちゃんと野球の試合に見えるようにできたんじゃないかと思います。お芝居絶対の半分近くが野球の試合ですが、その一つひとつが全部見どころだと思います」。

その後行われた公開ゲネプロ。

h.jpg弱気で卑屈な性格の主人公・三橋廉が、野球を通じて仲間と共に成長する姿を描く本作。細かな心理描写は作品の特徴のひとつで、主人公を軸に、日々の積み重ねで信頼関係が構築されていく様子や、周囲の人間の言葉がもたらす影響、それによるチームの変化と、いわゆるスポ根とは違う面から選手たちの変化が描かれます。

i.jpgj.jpgまず気になるのはやっぱり試合の表現。成井さんも話されたように、当然、野球場とは全く違うサイズ感で、確かに走塁の緊張感を出すには距離が足りなそうな印象。でも実際に観てみると、選手それぞれが全力で投げ、捕り、走り、試合をしていることがちゃんと伝わってくるんです! これぞ演出の妙! その熱と臨場感は、思わず「間に合って!」「捕って!」と祈ってしまうほどでした。

k.jpg八百屋舞台になっていて、選手それぞれの状況が一目で見えるのも面白いところ。試合後半の三橋の疲労を受け止め、気合を入れて塁を守る仲間たちの姿が、三橋のすぐ後ろにある...こんなシーンが目の前に広がったらグッときちゃいます!!

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実力や特徴に差のある選手それぞれのフォームも再現。西銘さんは三橋のフォームについて「すごく緩やかな投球フォームなので、僕はアニメで観ているときに『あんな緩やかなフォームですぐ打たれるんじゃないか』という緊張感があったんです。だから舞台上でもそれが逆に緊張感になるように、遅く緩く投げたくて。そこをうまく再現できたらとやってきました」と語っていました。

n.jpgo.jpgp.jpg原作の特徴と成井演出の魅力がガチッと噛み合った、細やかな心理描写も印象的。「おおきく振りかぶって」は、"人が人を思う気持ち"や"小さな積み重ね"が展開を生む作品ですが、その"思う気持ち"や"小さな積み重ね"を、俳優陣が繊細かつわかりやすく体現しています。観ていて感情の流れが捉えやすいので、仲間がゆっくりと温めて引き出した笑顔を心から嬉しく感じたり、ずっと抱えていたであろう痛みがやっと言葉になったことに安堵したり...その感情表現の持つ意味がちゃんと伝わるんです! 野球の試合を観ているとは思えない感情になることが多々ありました。

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今作で描かれるのは、高校入学から夏の大会1回戦までのストーリー。3つの試合、部活、合宿、放課後など実にさまざまな場面が描かれますが、セット転換もなく、映像も使わず、音、照明、芝居であらゆるシーンを表現。さまざまな瞬間に演劇の楽しさを味わわせてくれます。(個人的には三橋家でのピッチング練習シーンの表現...気持ちよかった!)

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ダンスシーンなども華やかで、素敵な舞台になっています。ぜひ劇場で楽しんでください!
公演は2月12日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場にて上演中!

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