【その1】ミュージカル「黒執事」古川雄大×内川蓮生対談「改めて一緒にできる喜びを感じました」

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枢やな氏の大人気漫画を原作にしたミュージカル「黒執事」シリーズ最新作・『ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania- 』が、大晦日の12月31日から上演されます。

19世紀後半、ヴィクトリア朝時代の英国を舞台に、全てにおいて完璧な執事・セバスチャンと名門貴族の若き当主・シエルの物語を描き、そのゴシックで華麗なヴィジュアルと、ミステリー・アクション・ギャグがふんだんに盛り込まれたエンタテインメント性の高いストーリーが大人気の作品です。

舞台シリーズは2009年が初演。第5弾となる本作は、今年1月に劇場版アニメも公開された人気エピソード「豪華客船編」の初の舞台化。今作は児玉明子さんが演出を手掛け、新たな物語を紡ぎます。

というわけで、今作でセバスチャンを演じる古川雄大さんと、シエルを演じる内川蓮生さんに直撃! 2015年の「-地に燃えるリコリス2015-」から3度目の出演となる古川さんと、昨年の「〜NOAH'S ARK CIRCUS〜」で初舞台を踏んだ内川さんという、2回目のタッグだからこそのお話を聞かせていただきました。全2回に渡ってお送りします!

......その前に、取材場所でとても素敵なエピソードが!

――今、古川さんのお誕生日のサプライズパーティーがあったそうですね。

古川 3日前(7月9日)、僕が誕生日で。さっき部屋に入ったら「HAPPY BIRTHDAY」っていうケーキ型のサングラスをかけた蓮生がケーキを持って、一人で大きな声でバースデーソングを歌ってくれるっていう最高の誕生日プレゼントをもらいました。

――内川さんが計画したんですか?

内川 (スタッフの)皆さんと一緒に計画しました。


――古川さんの反応はどうでしたか?

内川 驚いてました(笑)。

古川 驚きました。今まで他のキャストの誕生日もあったんですけど、それはケーキを持ってきて、雑に歌って(笑)って感じだったのに、今回は入念にセット(飾り)まで作ってくれてて。「え!」って。

――では改めて(笑)、今作が決定したとき、古川さんはブログで「前回の大千秋楽、れおちゃんとまた絶対やろうなって約束したので実現してよかった」と書かれていて、内川さんも「また古川さんの隣にシエルとして立てることが、すごく嬉しいです」というコメントを出されていましたが、また一緒にやりたいと思った理由を教えてください。

古川 (内川さんは)今は中学校1年生、前作では小学校6年生で。最初は「子供なのかな」と思っていたのですが、実際に一緒に仕事していくなかで、僕自身が学ぶことがすごく多かったんです。仕事に取り組む姿勢だったりとか、現場での居方だったりとか、そういうものからすごく学べたので。ただものじゃないなと。だからまた一緒にできたらなと思って。約束したときは、本当に何も決まってない状態だったので。本当に「やれたらいいね」っていう漠然としたものだったんですけど。それがやっとちゃんとカタチになって、改めて一緒にできる喜びを感じました。

――内川さんはどうですか?

内川 古川さんの隣に立てたのが本当に嬉しくて、去年の公演が終わった後に(古川さんが出演した)ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』を観に行かせていただいて。観てた中で、ジュリエットに「いいなあ、古川さんの隣に立てて」と思ったので。今回、お話をいただいたときにすごく嬉しかったです。

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――ジュリエットが羨ましかったってことですか?

内川 (うなずく)

古川 ふふふっ。

――さっき古川さんがおっしゃった内川さんの「姿勢」や「居方」はどんなものだったのでしょうか?

古川 みんなとちゃんと平等にコミュニケーションを取る。もちろん可愛がられるっていうのはあるんですけど、その延長でちゃんと自らコミュニケーションを取っているっていう部分が。僕は座長としてそういう風にいなきゃいけないなとも思ったし。意識してある程度コミュニケーションは取るようにしてたんですけど、(内川さんは)意識してない部分で自然とできるので。素敵だなと思ったり。仕事をするうえで、役に取り組むうえで、ものすごく楽しんでるその姿勢も。楽しむって根本的なことだなと思うんですよね。それを忘れちゃいけないなと思いながら。あと、稽古しながら演技レッスンとかも行ってたので。相当努力家です。俺もがんばらなきゃなって奮い立たされてましたね。

――内川さんは意識されていたのですか?

内川 あんまり意識はしてなかったです。本当に普通に皆さんがやさしくしてくださって。始まる前にお話ししたりしてました。

――古川さんに教えてもらったこともありましたか?

内川 たくさんアドバイスをいただきました。「ここはもっとこうしたらいいと思うよ」って教えてくださいました。

――ふたりで話し合ったりされたんですか?

古川 ガッツリ話し合うというよりは、他愛もない会話をしてコミュニケーションを深めるほうが多かったですね。

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シエルがどんどん自然になっていった

――内川さんは前作で初舞台を踏んでいかがでしたか?

内川 お客さんが観てくださっているとやっぱり緊張するので。心臓の音とか日常的には聞こえない音とかがすごく大きく聞こえたりするような感じはありました。

――それはだんだん慣れていきましたか?

内川 でもやっぱり千秋楽に近づいても、最初の音楽が聞こえると「ああ、始まった」ってドキドキするのはあまり変わらず。

古川 でも台詞飛んだ、とかないもんね。ゼロですよ。すごいですよ。俺より多いですからね、台詞量。膨大ですから。(内川さんに)始まっちゃえば大丈夫?

内川 そうですね、始まってしまうと。最後のほうは楽しくできた部分がありました。

――稽古場とは違いましたか?

内川 実際にやってみると、(客席の)感じとかで「こうしたほうがいいのかな」と思ったりすることがあって。(芝居が)変わったりしました。

――お客さんの反応が肌で感じられるからですか?

内川 そうですね。

――その変化は内川さんが提案したということですか?

内川 というより、勝手に変わっていった感じがします。自分で変えようと思っていなくても、勝手に動くような。

古川 どんどん自然になっていってるなっていうのはすごく感じました。

――古川さんも、初めて出演された前々作「-地に燃えるリコリス2015-」は再演でしたが、前作「~NOAH'S ARK CIRCUS~」は新作で、よりオリジナルでつくっていく部分があったかと思うのですが、実際やってみてどうでしたか?

古川 「リコリス」のときは(再演なので)ある程度できている中に入っていった感じだったんですけど、前作はゼロからつくりあげたっていう感じはありましたね。

――セバスチャンを演じるうえでは変化はありましたか?

古川 意識するところが増えたというか。より俯瞰で見る部分の割合が増えたんじゃないかなって思います。「こういうアイデアを入れてみよう」だったりとか「この流れでこの表情をしてみよう」という、"自然に生まれるものではないもの"を取り入れたのが、前作のほうが多かったかもしれないです。

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――前作ではおふたりで初めて組んでどうでしたか?

古川 (内川さんは)真っ直ぐにドンと来てくれる感じがあって。特にM1(1曲目)で歌っているときのやりとりとかそうだったし、すごく楽しかったですね。

内川 一昨年の公演(「-地に燃えるリコリス2015-」)は観に行ったんですけど、実際に自分がシエルとして演じていると、そのときの感じがすごい伝わってきて。(セバスチャンの)悪魔のオーラ的なものを身体で受けた感じとかが、ちょっとグッとくる感じがしました。

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――それは演じていて楽しい部分でしたか?

内川 (2次元の)漫画では感じられない部分を生で感じたので。シエルとしては当たり前の感じなんだろうけど、僕としてはすごく嬉しかったというか。「こうなんだ」って改めて感じました。

――もともと原作がお好きだから、そこを体感できたのが余計に嬉しかったんでしょうか。

内川 そうです、嬉しかったです。

古川 ていうか「リコリス」観たの?生で?

内川 はい。

古川 そうなんだ......へー。

――(笑)。そのときに演じたいと思ったんですか?

内川 その前からやりたいなと思っていて。それで初めて観に行ったのが、古川さんの1作目(「-地に燃えるリコリス2015-」)です。

古川 すげー。来たんだ。へー。

――それはなんの「へー」なんですか?(笑)

古川 あの公演の客席のどこかにいたんだって思うと、ちょっと嬉しくなっちゃいました。

★その2へ続く!

『ミュージカル「黒執事」 -Tango on the Campania-​ 』は、12月31日(日)から2018年1月14日(日)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演。その後、兵庫、愛知、石川、福岡を巡演。チケットぴあでは8月26日(土)12:00~8月30日(水)23:59まで東京公演、8月26日(土) 11:00~9月4日(月) 11:00まで神戸公演の抽選エントリーを実施中。一般発売は10月1日から。

取材・文:中川實穗
撮影:川野結李歌
ヘアメイク:AOKI/HIKOHO

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