2016年10月21日アーカイブ

宝塚歌劇団星組の東京公演『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』『ロマンス!!(Romance)』が10月21日、東京宝塚劇場で開幕した。
hoshi_ouka01_9001.JPG

本公演は星組トップスター・北翔海莉、トップ娘役・妃海風の退団公演。『桜華に舞え』は、西郷隆盛の右腕と呼ばれ、明治維新の立役者となりながらも、己の"義"を大切にし"避けられぬ宿命"西南戦争へ身を投じていく桐野利秋(中村半次郎)を主人公に、"最後の侍"の生き様を描く作品。北翔にぴったりな優しさ、温かさと頑なさを持つ桐野の姿、そして次期トップスター紅ゆずる扮する衣波隼太郎に次の時代を託す場面なども盛り込まれ、北翔の退団を意識した作品になっている。とはいえ、観終わったあと、悲しい涙よりも明るい笑顔が胸に残るのもまた、北翔に似合う。
hoshi_ouka01_7617.JPG

後半のショー『ロマンス!!(Romance)』は演出家・岡田敬二によるロマンチック・レビューシリーズの19作品目。伝統的な宝塚らしさに満ちた、華やかで美しいステージだ。こちらでも、歌もダンスも芝居も何をとっても天下一品、当代きっての芸達者トップスター・北翔の魅力が存分に味わえるとともに、妃海との息の合った歌声やダンス、そして勢いのある星組スターたちの熱いパフォーマンスが息つく暇なく展開され、目が奪われる。
hoshi_ouka02_8809.JPG

北翔の19年の宝塚生活のピリオドとなる2作品。舞台上には北翔からの愛が、そして北翔への愛が溢れ、幸せ空間となっていた。


==『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』==
hoshi_ouka11_7708.JPGhoshi_ouka12_8095.JPGhoshi_ouka13_8194.JPGhoshi_ouka14_8286.JPG

==『ロマンス!!(Romance)』==
hoshi_ouka21_8928.JPGhoshi_ouka22_8503.JPGhoshi_ouka23_8734.JPGhoshi_ouka24_8431.JPG

初日にさきがけ10月21日には、北翔海莉、妃海風が取材に応じ、現在の心境を語りました。


北翔海莉&妃海風 囲み取材

北翔「星組の北翔海莉でございます。わたくし事ではありますが、今回『桜華に舞え』『ロマンス!!』、卒業公演となりました。宝塚大劇場での公演を無事に終え、残るは東京のみ、ファイナル公演です。待ったなし、ノンストップでまいります。とにかく全員が怪我をせずに揃ってゴールできることを目標に、そして進化し続ける舞台を目指して、頑張りたいと思います」
hoshi_ouka31_8943.JPG

妃海「星組の妃海風でございます。私もご一緒に退団させていただくことになりました。大劇場公演もとってもとっても、毎日充実していて楽しかったので、東京公演も、瞬間瞬間を大切に過ごしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
hoshi_ouka32_8947.JPG
△ 囲み取材で自分の名前を名乗るトップスターさん&トップ娘役さん、珍しいです...!

チケット情報はこちら


 
new_メイン素材1.jpg
new_メイン素材2.jpg
10月14日、池袋 あうるすぽっとにて、ダンス集団DAZZLEの20周年記念公演『鱗人輪人(リンド・ロンド)』が開幕した。ストリートダンスとコンテンポラリーダンスを融合させた独特のダンスにより、壮大なドラマが紡がれる。

 海が枯れ果てた世界で、水を奪い合い殺し合う人々。どうしたら海を取り戻せるのか...。物語は問いかけから始まる。一体何が起こっているのかドキドキしていると、赤いパーカ姿のロンド(金田健宏)が登場。ロンドは砂賊で、屋敷に盗みに入ったところ、鎖につながれていた青い服の男リンド(長谷川達也)を解放する羽目に。ロンドはリンドを殺すが、再び出会い、驚く。リンドは多額の懸賞金をつけられ、追われていた。このあたり、黒電話やトランク、指名手配書、ダンボールの人を使った振りがポップかつハードボイルド的で、心が躍る。
 水が一攫千金を生む世の中、ロンドの父は井戸に固執し、使用人に殺されてしまった。ロンドはその使用人の策略で父殺しの汚名を着せられ、更生施設に入れられてしまう。施設の食事のシーンは、皿とカトラリーを使ったパフォーマンスを俯瞰から撮影して映し出す、鳥かごの中の小鳥はフィンガーダンスさながら手で演じられるなど、随所に工夫が凝らされている。
 一方、リンドはかつて恋した人魚を人間の生贄として失い、自分が千年を生きる人魚になった過去を打ち明ける。この長谷川の舞は人魚にしか見えず、胸に迫るものがある。ロンドはリンドから水脈の在り処を聞いて井戸を掘るが、水は出ない。詐欺で訴えられ、投獄されたロンドが出会ったのは、かつて自分に罪をなすりつけた使用人。彼はリンドを監禁していた屋敷の主だったのだ。ロンドは釈放されるが、デモが起こり、街が燃え広がりパニックに。そこでリンドが歌うと、雨が降り火は収まった。が、人々はリンドの力を知り、苦渋の選択を迫られることに...。
 自然と人間という根源的なテーマを軸に、人の生き様、サスペンスやファンタジーの要素が混在。DAZZLEの得意技である、小道具を使ったダンス、影と映像、彫刻的な群舞など、多彩なアプローチが存分に楽しめる。何より"踊る"というプリミティブな力がセリフ以上に語り、物語を広げ、観る者の想像力を掻き立てる。ロンドとリンドの心の交流、キラキラした水の煌めきと自らが下した決断への思いを抱えて、観客は帰り道につくことだろう。

『鱗人輪人(リンド・ロンド)』10月23日(日)まで、池袋あうるすぽっとにて公演中。

チケット情報はこちら


カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉