世界60都市で絶賛された、ダンス&現代アート界最高のスターが結集して魅せるヒット作「sutra」。
ついに日本初上陸となり、10月1日(土)幕を開けます。
開幕を目前に、今回の公演アンバサダーを務める森山未來主演舞台「Tezuka テヅカ」「PLUTO」等、数々の話題作を生み出したダンス・演劇界のスーパースター シディ・ラルビ・シェルカウイが少林寺に2カ月滞在し創り上げた世界的ヒット作である「sutra」について語ってくれた取材会の様子をお届け!
左:シディ・ラルビ・シェルカウイ 右:ファン・ジャハオ
「sutra」で振付・演出を務め、今回の来日公演では舞台にも立つシディ・ラルビ・シェルカウイ。そして出演者である嵩山少林寺の武僧たちのリーダー、ファン・ジャハオ。舞台初日を目前に控える二人への取材は、シェルカウイに少林武僧の魅力を訊くところから始まった。
「武僧たちは肉体の動きを通じて、自身の精神を追求している。そこに振付家としてダンスを追求するときの感覚と似たものを感じました。また嵩山少林寺を訪れた際には、彼らがいつも一つのコミュニティとして共存していることに感銘を受けましたね。私たちダンサーは、昼間にスタジオでレッスンをともにしても夜には個人の生活があります。ですが武僧たちは、常に一緒に規律の中で生活しているのです」
では、ジャハオは、こうして舞台作品へ参加することに、なにを感じているのだろうか。
「この作品からは新しさを感じています。少林拳の伝統と西洋のダンスのコラボレートに立ち会うということは新鮮な体験ですし、ここから新しい文化が生まれたと感じます。この作品を通じて、さらに多くの人たちに少林拳を知っていただけたらうれしいですね」
そして、話が作品のクリエイションに及ぶと、シェルカウイの言葉はさらに熱を帯びる。
「この作品は、従来とは違う角度から嵩山少林寺の武僧を見るところから始まりました。最初は4人くらいの武僧とワークショップを始め、それが8人になり、さらに子供の武僧が入ることで、大人の武僧を含め、自由にクリエイションできる空気になったのですね。私はそこへオープンな気持ちで入っていき、彼らの日々の生活、動きからインスピレーションを受けて生まれたのが『スートラ』です。この作品では21世紀を生きている武僧たちを描きたいと思いましたし、少林拳をコンテンポラリーな形で表現することも可能だと考えました」
シェルカウイの言葉を受けて、ジャハオはこう語る。
「普段の修行では退屈を感じることもありますが、この舞台には、ゲーム感覚で演じる部分もあるので非常に楽しいですね。もちろん普段の修行では箱を使うことはないですし、慣れないうちは箱にぶつかってしまうなど、戸惑う点も多々ありました。でも、シェルカウイさんはいつも私たちの意見をちゃんと聞いてくださいますし、なにかあればすぐ相談させていただける。だから今はまったく問題はありません」
ジャハオのコメントに登場した箱。これはシェルカウイにとって重要な意味を持つセットだ。
「私は箱の中を、人が生きているときに与えられている個人的な空間として捉えています。そして、その一つひとつを重ねることで、壁や階段、寺院などが生まれていく。このセットは友人の美術家アントニー・ゴームリーによるものですが、観客が自分自身の想像力を駆使できる余白を残しているのが素晴らしいと思います」
そして、最後に『スートラ』に込められたメッセージを尋ねると、次の言葉が返ってきた。
「死の後にはまた生があるということ。輪廻ですね。この作品をご覧いただくと、すべてが壊れ、終焉を迎えたように思える瞬間から、また新たなものが構築されていきます。それは生と死というテーマに繋がっていき、だから物語は終わることがないのです。是非、日本のみなさんにこの公演を楽しんでいただければと思います」
「sutra」は東京公演を皮切りに愛知、九州をまわる。
★公演情報★
2016/10/1(土)14:00開演/2016/10/1(土)19:00開演/2016/10/2(日)13:00開演 オーチャードホール(東京都)
2016/10/5(水)18:45開演 愛知県芸術劇場 大ホール (愛知県)
2016/10/8(土)14:00開演 北九州芸術劇場 大ホール (福岡県)
シェルカウイが語る箱も出てくる!
公演PVはこちら!!