撮影:中島仁實
ミュージカル『ライオンキング』に続く、大阪四季劇場の次回作の製作発表会が11月16日、大阪市内のホテルで行われた。発表された演目は、13年ぶり4度目の大阪公演となるミュージカル『キャッツ』で、2016年7月よりロングラン上演を予定している。1983年、東京・西新宿のテント式仮設劇場で初演されたミュージカル『キャッツ』。大阪には1985年3月に初登場し、国内2番目の上演地として西梅田に仮設劇場「キャッツ・シアター」を設置して上演。当時の代表・浅利慶太が「大阪で3ヵ月しかもたなかったら、劇団四季は大阪で解散する」と断言し、結果、東京を抜く13ヵ月のロングラン記録を達成した。撮影:荒井健
本作はアンドリュー・ロイド=ウェバーの代表作のひとつで、都会のゴミ捨て場が舞台。年に一度行われる猫たちの舞踏会に24匹の猫が集まり、それぞれの猫が歌い踊りながら自分の生き様を語っていく。舞台と客席とが一体化した劇場構造が魅力のひとつで、劇場に一歩足を踏み入れると、そこに広がるのは猫たちの世界。舞台から客席に至るまで猫の視線に合わせた巨大なゴミの数々が配置され、その土地ならではのご当地ゴミも捨てられている。前回の大阪公演では阪神タイガースのメガホンなどが捨てられていたが、4度目となる今回は「なるべく前回までとは被らないようにしたい」と、振付・演出スーパーバイザーの加藤敬二。かつてマジック猫ミストフェリーズ役としても活躍した加藤は「100人のお客様がいれば、100通りのキャッツがある。それぞれの人生観をもって、詩を読むような感覚で猫の世界を想像していただければ。また、『キャッツ』は大変高度な技術が求められる作品。鍛え上げられた俳優たちのパフォーマンスにもぜひご注目ください」と、作品の見どころを語った。撮影:佐藤アキラ
また、共同主催となる阪神電鉄の藤原崇起社長は「西梅田で大阪初演された1985年は、阪神タイガースが優勝した年でもあります。今回、また西梅田の地に『キャッツ』が帰ってくるということで、一緒に大阪を盛り上げたい」と語れば、劇団四季の吉田智誉樹社長も「『キャッツ』には優勝招き猫伝説という、上演する土地を本拠地とする球団が優勝するジンクスがあります。来シーズンはきっと阪神タイガースに『キャッツ』のご利益があるはずです(笑)!」とコメントした。さらに、「京都劇場も再び関西の拠点のひとつとしたい」と語り、今後の関西での展開に期待を持たせた。チケットは2016年4月発売予定。取材・文:黒石悦子
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