2015年6月 9日アーカイブ
今週末、いよいよ待望の幕が開く2015年版『エリザベート』。
日本では宝塚歌劇団雪組が1996年に初演。
そして東宝版としても2000年からコンスタントに上演されており、今までの上演回数は1067回を数えるほどの人気ミュージカルです。
その東宝版『エリザベート』ですが2015年版はキャスト一新。
ヒロイン・エリザベートに花總まりと蘭乃はな。
エリザベートを死へと誘うトート役には、井上芳雄と城田優。
エリザベート暗殺犯ルイジ・ルキーニ役は、山崎育三郎と尾上松也。
ほかのキャストもフレッシュな顔ぶれが揃いました。
さらに演出・舞台美術、衣裳も一新され新しい『エリザベート』が誕生します!
6月9日、初日を目前に控えた出演者たちが、帝国劇場にて意気込みを語りました。
タイトルロールであるエリザベートを演じる花總さんは
「いよいよ初日目前ということで、最後はもう自分を信じて頑張るしかないと思っています。頑張ります」と意気込みを。
花總さんは1996年の宝塚雪組公演(つまり日本初演)でも同役を演じていた、いわば日本のオリジナル・キャスト。
東宝版『エリザベート』へは待望の出演です。
久しぶりにエリザベートという役に向き合っていることについて、
「改めてエリザベートという役は本当に難しい役だなと痛感しています。宝塚版と東宝版では思った以上に違いがあります。宝塚版ではカットされている場面が東宝版ではあったり、歌詞が違ったり、キーが違ったりもします。新たにこの作品でエリザベート役に挑戦する、という気持ちでやっております」と話しました。
また、同じくエリザベートを演じる蘭乃さんは、昨年・2014年花組公演『エリザベート』で同役を演じたばかり。
本作が卒業後初のミュージカル出演となります。
「昨年宝塚を卒業してから初めての舞台が、この帝国劇場で、しかもエリザベート役。大きなプレッシャーではありますが、素晴らしい共演者の方々やスタッフの方々、そして観に来てくださるお客さまに感謝の気持ちを忘れずに、エリザベートを演じたいと思います」と話します。
また、初めて男優との共演も体験している蘭乃さん、
「(男性は)身体の大きさや厚みも違いますし、エネルギーがすごい。その中でも立っていられるよう、私もエリザベートのようにトレーニングを頑張っているところです」とのこと。
ちなみに「トレーニング」とは、城田さん主催(?)の<筋肉部>があるとのことで
城田「稽古中、ダンスや歌に活かせるように体幹や腹筋を鍛える筋トレをしていたのですが、おそらく彼女が一番出席日数が多いです。全カンパニーの中で蘭ちゃんが一番頑張ってくれましたね、筋肉部。エースです。...松也は......」
尾上「いつも参加したいんですが、たまたまその時用事が入っていて...」
城田「松也、筋肉部やる?っていうと「あ、ごめんちょっと用事が...」って言うんだけど、「じゃあごはん食べに行こう」と言うと「行く行く」っていうの。どっちだよ!」
尾上「筋肉部になると予定が入っちゃうんで...。気持ちは参加したいんだけど(笑)」
というやりとりも。
『エリザベート』初日前会見レポートの続きを読む
舞台「ア・フュー・グッドメン」の公開稽古が行われ、出演者の淵上泰史・瀬奈じゅん・田口トモロヲらが劇中シーンを披露した。
ア・フュー・グッドメンは、映画「ソーシャルネットワーク」「マネーボール」など数々の話題作を手掛けてきた脚本家、アーロン・ソーキンによる傑作軍事法廷サスペンス。出演は淵上泰史、瀬奈じゅん、田口トモロヲなど、個性的な面々が集結。上演台本・演出は鈴木勝秀が手掛ける。
本作の公開稽古が行われ、劇中シーンが報道関係者に公開、また、出演者と鈴木勝秀による座談会も行われた。
動画はこの様子を抜粋したもの。【動画 5分】
1時間ほどの稽古を撮影していて感じたのは、役者の会話でジワリジワリと事件の真相に迫っていくようなお芝居なのだということ。また、淵上が演じる主人公が成長する過程を描いた話と捉えることもできそうだった。見ごたえのある本格的な会話劇になりそうだ。
本作は6月19日(金)から天王洲 銀河劇場で上演される。
(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
・軍事法廷サスペンスの傑作 舞台「ア・フュー・グッドメン」が6月に上演/淵上泰史 瀬奈じゅんらが出演
・歌謡ファンク喜劇「いやおうなしに」公開稽古/O.L.H.(面影ラッキーホール)の世界が舞台に
・ミュージカル「シスター・アクト」ファンイベント動画/瀬奈じゅん・森公美子らが劇中歌を披露
・ミュージカル「エニシング・ゴーズ」公開通し稽古動画/瀬奈じゅん・鹿賀丈史・田代万里生らが熱演
宝塚歌劇団星組で6年以上、男役トップスター・柚希礼音に寄り添いトップ娘役を務めた夢咲ねね。100周年の宝塚を牽引した稀にみる大型トップコンビだっただけに、その後の活動に注目が集まっているが、夢咲は退団後一作目にミュージカル『サンセット大通り』の出演を決意した。退団から数日後、髪を切り晴れやかな表情で現れた彼女に、今の心境を聞いた。

『サンセット大通り』は1995年トニー賞7部門に輝いた傑作ミュージカル。売れない脚本家ジョーが、一世を風靡した大女優ノーマの豪邸に住み込むようになり、男女の愛、孤独とプライド、さまざまな感情が絡むドラマへと発展する。夢咲は1950年公開の映画も日本初演の舞台も観たという。「アンドリュー・ロイド=ウェバーさんの音楽によって、舞台はよりサスペンス要素が濃厚だなと感じました。私が演じるベティは婚約者がいながら同じ脚本家のジョーに惹かれていく女性。ノーマがミステリアスなら、ベティは明るく前向きな女性だなと思いました。ジョーにとって"北風と太陽"の"太陽"のように演じたいです」。

スタイル抜群の可憐な容姿とは裏腹に、これまで数々の大作でヒロインを演じ切った"底力"と実力がある。「本来の私は自分の思いを人に伝えるのがちょっと苦手。だからこそ、役を通して感情を伝えるお芝居がとても好きで、それが私の生きる手段なのだと気付きました」。舞台の初日が誕生日という偶然も、新たな一歩を踏み出す後押しになったという。「宝塚では本当に120パーセントの力を出し切ってやってきたので、その経験を生かして頑張れたら」。新たに生まれ変わった夢咲ねねに出会えるはずである。
公演は7月4日(土)から20日(月・祝)まで東京・赤坂ACTシアター、7月25日(土)・26日(日)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、7月31日(金)から8月2日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。チケットは発売中。
取材・文:小野寺亜紀
撮影:奥村達也