『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』開幕直前スペシャルイベントレポート

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6月の東京・帝国劇場にて日本初演の幕を開けるミュージカル『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』
この作品の<開幕直前スペシャルイベント>が5月13日、同劇場にて行われました。
登壇者は出演者全員という、なんとも豪華なイベントです!
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物語は黒人クラブ歌手のデロリスが、ある殺人事件を目撃したことでマフィアに追われ、修道院に逃げ込んだことから起こる大騒動を描くもの。
大ヒット映画『天使にラブ・ソングを...』をもとに2009年にロンドンで初演された作品で、これが日本初上陸となります。

作品の舞台が修道院、劇中ゴスペルも登場するとのことで、冒頭では日本ゴスペルシンガーの第一人者である亀渕友香&The Voices of Japanも登場。
その高らかな歌声に森さんも「涙が止まらない...。こうやって歌わなきゃいけないんだ、と勉強になりました」
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さて、メインキャストは以下の方々。
まずデロリス役は、瀬奈じゅんさん&森公美子さんのWキャストです。

「今日は皆さんと一緒に楽しみたいと思います」と挨拶をした瀬奈さん、舞台版ならではの魅力は「舞台としての魅力は生、ライブ、魂をお届けできること。映画同様、シスターたちの成長を表現できるよう頑張りたい」と話します。
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同じくデロリス役の森さんは
「私は(映画版の主役の)ウーピー・ゴールドバーグさんがものすごく好きで、"みちのくのゴールドバーグ"になりたいと思っていたくらい。いいところは本当に真似したいですが、舞台と映画とはやはり異なり、楽曲にも違いがあります。映画はやっぱり画面でしか見られませんが、生身の人間が歌って生身の人間のパワーを伝えるにはやっぱり舞台の方がすごいのではないかと思っています」と舞台版の魅力をアピール。
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デロリスの幼なじみ、気弱な警察官エディを演じるのは石井一孝さん。
「"汗っかきエディ"という役をやらせていだきます。汗っかきというところは(自分もそうなので)演じる必要はないのですが、黒人の役なので黒く塗る。...ということは汗で流れてしまうんです。途中で白くなってしまうのは避けたいと思って、セルフタンニングという溶液があると(上口)耕平君に聞き、それを塗り始めました。たった2日で松崎しげるさんになりました。本番はナチュラル・ブラックで挑みたいと思います!」と話して客席を笑わせます。
またこの舞台版に関しては「個人的には映画にはなかった設定、エディがデロリスの高校の同級生で恋心を寄せているというところが楽しくて、タイプの違ったふたりのレディを目の前にし、それぞれに恋心を抱き...。だんだん役に役者は感化されていきますから、日々(ふたりが)可愛いなと思ってやらせていただいています。ほんとですよ。時おり夢に出てくるんです!」と話し、森さんから「ホントかぁ?」というツッコミが...。
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ギャングの親玉で、デロリスの元恋人、カーティス役もWキャスト。
大澄賢也さんと吉原光夫さんが演じます。
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大澄さんは「マフィアのボスで、コワモテといえばコワモテなんですが、まるで3歳児の子供のような、大人な子供のような感じで楽しみたいと思います」と意気込み。
また、舞台版は「シスターたちが歌い踊るそのエネルギーがハンパないので、映画には、めちゃめちゃ勝っちゃってま~す!」との自信のコメント!

吉原さんは「僕もギャング役ですが、コメディなので、楽しんでやりたい。映画はウーピー・ゴールドバーグにフォーカスが当たっていますが、舞台はもちろんデロリスにフォーカスあたっているんですが、それぞれの人、修道院長やシスターたちの生き様、展開、気持ちが変わっていく姿などもフォーカスされています。コメディと謳ってますがけっこう、じーんと感動する、胸にくるものがあります」と話していました。


シスターたちを見守るオハラ神父には、村井國夫さん。
「デロリスがこの教会にきててんやわんやと色んな騒ぎを起こすんですが、彼女の歌声をきいて妙にシンパシーを感じて温かく見守っているという、私にとっては非常に難しい役。冷たくするのは得意なんですがこういう役はあまりしたことがなく...歌もないし踊りもないし。俺は何をすればいいのか...」とボヤキ節で笑わせます。
また「とにかく映画より数段楽しいのは間違いないです。僕らの世代にとっては70年代の音楽、サウンドを思い起こさせるので、年配の方でも楽しめるし、とにかく稽古場でもみんなを見ているだけで楽し。東宝作品は悲しい芝居が多かったですが、久しぶりに大笑いできて、騒げる作品です。どうぞ踊りに来てください」とアピール。
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そして修道院長役の鳳蘭さんは
「(出身である宝塚のモットー同様)"清く正しく美しく"そのままの、かちんこちんの修道院長をやります。最後はデロリスに感化されてノッちゃうんですけどね。最初の方は本当に"清く正しく"やりたいと思います」と話していました。
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トークシショーでは様々な話題が飛び出しました。
まずは、こんなWキャスト見たことがない!? タイプ・持ち味の真逆なWデロリスに、お互いの「可愛いところは」というお題。

瀬奈「私はモリクミさんのデロリスを見て、反省点がいっぱい出てきてしまいました。森さんは人としてすごく可愛らしい、私はすごく大雑把だったな、雑な人間だったなと思うことがあって...。例えばエディといるところのちょっとしたハニカミが可愛かったりとか。あとは何よりも、一緒に稽古していて、振りを一緒に覚えていて、同じところでわからなくなったりするのですが、稽古場の真ん中に取り残されてどこにいったらいいのかわからなくて右往左往しているモリクミさんが一番可愛らしい!(笑)」

「ホントにそのとおりで...。私、ダブルの相手が瀬奈さんで本当に助かったなと思っているのは、いつも振りを教えてもらっているところ。私がやっているときは瀬奈さんがみていらっしゃるので、あっちあっち!って(教えてくれる)。わからない時は瀬奈さんの目しか見ていない(笑)。それに瀬奈さんは本当に美しいんですよ。ポーズがパンと決まった時、カッコイイんです。手足の長さが全然違いますから、まあ私のちんちくりんなこと...。わたし同じことをやっているんだろうかと自問自答してしまって...」

瀬奈「ハードルあがっちゃうから、そのへんでやめてください!」

「素敵なんだもん! ホントに素敵で尊敬しています。瀬奈さんいてくれなかったたら私、途中で「ダメだ...」ってなってます。毎日感謝しています」
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ふたりのデロリス、製作発表の段階で演出の山田和也さんが「おふたりの共通点は、非常にポジティブで明るい雰囲気を持っていらっしゃるところ。それが、この役の一番大切なところ」と話していましたが、たしかにずっと楽しそうに笑っていらっしゃっていたのが印象的。


男性陣には「女性ばかりの稽古場の雰囲気は?それゆえに心がけていることは?」というお題が。

石井「この作品はシスターたちが主役。僕ら男性陣は、絵で言うと四隅の余白みたいなところにいます。シスターたちに迷惑かけないよう、余白なら余白なりの魂で、根性持ってがんばりたいと思います。...全部あわさって素敵な絵になればいいなと思います」

大澄「女性がたくさんいる現場...ですか?(ポーズをつけて)...普通、ですね」
言葉とは裏腹にカッコつける大澄さん...。
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吉原「いい意味でも悪い意味でもメインが女性なので、肩身が狭い。ただ肩身が狭いということは、女性のパワーが溢れている稽古場だということなので、素敵だなと。心がけていることは自分はそっちに属さない、この作品でいえば黒い方、ワルなので。感情移入してしまいそうになるんですがそこはこらえて、シスターたちを脅し続けられるよう心がけています」

瀬奈「(感動して)泣いてたよね~」

「感動的なシーンがありまして。そこで泣いてた!」

吉原「いいシーンなんですよ。いいシーンで、この役やってるのがイヤになったくらい。ホントはシスターの格好してそっちに入りたいくらい」

石井「やめて~!」

村井「私は日々失礼のないように心がけて隅の方で静かにしています。だいたい稽古場の四隅は男性です。中心は女性たち。肩身が狭いねえ~!」

と、なんだかんだ言いながら、男性陣もとっても楽しそうなのです!



最後に、「ご自身の役で気に入っているところ、共感できるところ、役作りで苦労したところは?」というお題。

瀬奈さんは「共感できるところはまったくありませんね! 私は案外マジメだったりするし、デロリスの人に頼って生きていて、芯は強いんだけど人の力を借りてのし上がっていこうというところはまったく共感できません...。でも初心に帰れる役といいますか、これから頑張って自分を表現していく、自分の活かせる場に飛び立っていくんだという部分は、失いかけていた戦意、闘う気持ちを思い出させてくれる。そこが気に入っているところです。
苦労している部分は...私は歌ったり踊ったりしているときに、ついつい前世の癖でいろんなところに目線をやってしまったり見栄を切ったりしてしまうので(苦笑)。演出の山田さんに立派すぎるといわれてしまいました。やはりデロリスは売れていないクラブシンガーであり、売れていないということは、何かが足りないということ。そこをキメキメになって流し目してしまったりするので、そこは気をつけないといけないところです(笑)」と話します。
元宝塚男役トップスターならではの、苦労ですね~。


森さんは「気に入ってるところは、何かから脱出しようという時に歌う歌があるんですが、それがパワフルで!その歌のスゴさを皆さんに伝わるように頑張っている最中です。
共感できるところは、(瀬奈さんとは逆で)誰かに頼ろうとしているところ...完全に私は瀬奈さんに頼ろうとしているので(笑)。考えてみれば本番には瀬奈さんがいないということに気付いて「私ちょっと、瀬奈さんから独立するね」と言って机を離れたんです。「瀬奈さんから自立する!」って。でもいつのまにか戻っているという...」と話し、客席の笑いをとっていました。


石井さんは「大澄さんがつけてくださったソロナンバーの振付。僕が出来る範疇の技術を盛り込んで賢也さんがつけてくれて、非常に身の丈に合った振りにしていただいています(笑)。音楽的には難しいんですが、お客さんにみていただく時には血の通った歌になっていると思います」
と話しました。
石井さんのソロナンバー、注目です!
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大澄さんは「今回光夫君とWキャストで、彼は僕より10数歳下なんですがいろんなことを緻密に考えてきて自分の意見を言ってと、それに僕はすごい刺激を受けていて、自分の役作りにおいても刺激をもらってます」と語り、

吉原さんも「賢也さんと一緒にやらせてもらっているのが自分にとっても大事な事で、舞台が客観視できる。賢也さんからたくさん刺激をもらって、利用して、面白いところはとっていけたらろと思います。この役は女性...デロリスを追いかける、執着するという役なんですが、僕も35歳になって去る者は追わずなんですが(笑)、去る者を追うという感覚がなんとも懐かしい。昔は追いかけていたなと。そこが自分とリンクして気に入っているところですね!」と話していらっしゃいました。
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村井さんは「私は静かな神父なんですが、デロリスに影響されて2幕でちょっと金ピカの衣裳をきて、ついついノッてしまうところがあるんですが、そこを楽しんでいます」と見どころをアピールしつつ。

最後に鳳さんは「私は苦労しているところも好きなところも気に入っているところも全部ひとつ。神様に語りかけて歌うナンバーがあり、そこが気に入ってて苦労しているところです。そのをシーンお楽しみに」とのことでした。


最後に、楽曲披露もありました。
プリンシパルさん、アンサンブルさん含め、キャスト全員登場です!

『When I Find My Baby!~あいつを見つけたら』
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『Spread The Love Around~愛を広めよ』
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『Raise Your Voice~さあ、声を出せ!』
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迫力たっぷり、ノリノリの楽曲に、キャストの皆さんの笑顔も加わり、本番の舞台への期待感がたっぷり煽られました!
公演は6月1日(日)開幕です!

取材・文・撮影:平野祥恵

【公演情報】
6月1日(日)~7月8日(火) 帝国劇場(東京)
7月12日(土)~13日(日) 厚木市文化会館 大ホール(神奈川)
7月16日(水) 岩手県民会館
7月19日(土)~21日(月・祝)東京エレクトロンホール宮城 ※日時未定
7月25日(金)~29日(火) シアターBRAVA!(大阪)
8月2日(土)~3日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

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