■『レディ・ベス』世界初演への道 vol.10■
『レディ・ベス』東京公演も折り返しを過ぎました。
この公演ではさまざまな<終演後イベント>が行われていますが、本日は5月5日に行われたトークショーの模様をレポートします。
この日の登壇者は
平野綾、山崎育三郎、未来優希、平方元基の4名。
まず中日(なかび)を過ぎた現在の心境を。
「本当にあっという間でした。お稽古期間もぎゅっと凝縮されていたので、初日も「あ、もう本番なんだ」という印象でしたし、そこからもすごく早かったです」と平野さん。
山崎さんは「世界初演ということで、稽古のあいだは毎日、台本も変更が入ったり、楽曲がカットされたり増えたり、キー(音程)がチェンジされたりと、変更の連続でした。本番開けてから、お客さまとともに完成されていった感じがします」。
それに対し平方さんも「本当に開幕してから、お客さまがいてくださることで、安心感がこんなにあるんだなということを今、実感しています」と同意。
未来さんは「(今日ここにいる)皆さんWキャストなので、公演回数はいっぱいあるんですが(出番は)半分ということもあり、あっというまにここまできちゃった、という感じです。毎回新鮮で緊張感を保てたまま舞台に立てるのがすごくいい」。
...皆さん揃って"あっという間"という心持ちのようです。
未来さんは"Wキャスト"ということ自体が初めてとのことで、「お休みの日に、「本当にお休みしちゃっていいのかしら」という一抹の不安を抱いてしまいます(笑)」という感想も口にし、さらに「2日間あいたりすることもあるので、2日休んで復帰する時などは身体はすごく楽なのですが、メンタル面が...。初日を迎えるくらいの緊張感でドキドキします」というお話から、
平方「フェリペなんて2日間プラス1時間ありますからね! 12場まで出番がないので...」
山崎「いつも始まる前に、元基と「じゃ、1時間後に」って話すんです」
平方「まだ(自分は)メイクも完成してない状態でね」
山崎「1時間、何やってるんですか?」
平方「えー、何やってるかな...。ストレッチとか...あ、皆さんの歌を一緒に歌っています。それで発声して、のどを温めています」
と、なかなか登場しないフェリペの話題へ。
そのまま、客席から熱い視線が注がれる(?)『クール・ヘッド』のシーンに話題が及び
未来「恥ずかしくないですか、片方出して」
平方「だって小池先生の指示だもーん!」
平野「初日に両方はだけちゃったんですよね。「初日祝い」っておっしゃってましたよね(笑)」
平方「そう、プレビュー初日に全部はだけちゃったんで、皆さんに初日祝いということで。...いらねーよって話ですね(笑)」
なーんて会話も。
いや、でも1時間待たされただけある、インパクト大の登場をしますよね、フェリペ!
そして初の小池演出の感想を聞かれ、
「すごく厳しいところもあり、面白いところもあり...」と答える平野さんですが、話題はその"面白い"の方向へ。
たまに無茶なことを言われる、ということで平野さんは
「私ダメ出しで一番無理だと思ったのは、「背が小さい」って...。それはなんともなりません!って言ったんですが(笑)」。
さらに平方さんが「サザエさんみたいだなお前は、と言われました。ぜんぜんわからない。ダメ出しがサザエさんって!」と話し、
山崎さんは「小池先生、たとえ話が結構ありますよね。『モーツァルト!』の時に、お父さんとモーツァルトの関係は亀田親子だと。よし、やってみよう!...結構、難しいですよね(苦笑)」というエピソードを披露。
それででも宝塚時代からお付き合いが長い未来さん曰く「宝塚の時のことを考えると、すごく皆さんに気を遣ってらっしゃるなと(思う)」とのことで、少し皆さんの中に衝撃が走っているようでした...(笑)。
他には公演中のお休みの過ごし方、というお題では
「私はとにかく力をつけようと思って、この期間中はいっぱい食べるようにしています。だいたい1日おきくらいで焼肉を食べています」という平野さん、
「自宅と劇場の往復で太陽を浴びることがなくなるので、打ちっぱなしに行ったりランニングしたり公園を散歩したりと、運動してます」と話す山崎さん、
未来さんは「私は私生活では普通に主婦で母親なので。娘と公園にいったりして"お母さん"してます」。
ちなみに稽古中もあまり自宅でセリフを覚えたりはしないそうで、「本当はやりたいんですが、(娘を)ほっぽらかしてやっているとやきもちを焼くらしく、台本をくちゃっとされたことがあったので。一緒にいられる時はなるべく一緒にいてあげようと」とお母さんらしいエピソードも。
平方さんは「僕はドライブに行ったりします。フェリぺを演じていると開放的な気持ちになるので、できるだけ外に行くようにしてるんですが、『エリザベート』の時はひきこもりになっちゃっていました。...すっごく楽しいです、フェリペ」と話していました。
そんな平方さんが本当に楽しそうだという山崎さんから「元基が「イギリスは涼しい」って言うところ、汗がびしゃびしゃで、まったく涼しそうに見えない」という告げ口が入り、「次からそこで、オペラグラス上がるじゃん!」と平方さんが悲鳴をあげる一幕も...。
なんだか皆さんそれぞれマイペースながらも仲良さげな空気が伝わる、のどかなトークショーでした!
最後に、それぞれひと言ずつ挨拶を求められ、まず平方さんが挨拶の代わりにと
「お願いがあるんですが...皆さんに『クール・ヘッド』を一緒にやってほしいな、と!」
ということで、登壇者のみなさん+客席のお客さまみんなで『クール・ヘッド』のポーズ!
未来さんは「やっと八百屋舞台(傾斜)の装置や衣裳にも慣れてきたのにもう中日。ようやく慣れてきたことも手伝い、メアリーの気持ちをさらに感じながら、新鮮に最後まで演じていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします」。
山崎さんは「初日があけてから本当に日々、作品が変化して進化しています。僕自身も毎日舞台に立っていても本当に新鮮な気持ちで、今日もまた新しい感情が生まれました。こうやって多くの皆さんに支えられながら、『レディ・ベス』はまだまだ素敵な作品になっていくと思いますので、またぜひ劇場でお会いしたいと思います」と挨拶。
そして平野さんが「私は本当にまだ舞台経験も少なく、こんな大役をいただけていることが夢のようで、毎日、素敵な先輩たちに囲まれて日々勉強させていただいています。最後まで全力...というか、自分のペースを掴みながら頑張っていきたいと思っていますので、ぜひまた、一度といわず何度も足を運んでいただけたら嬉しいなと思います」と締め、トークショーは終了しました。
『レディ・ベス』、東京公演は特に、予定枚数を終了した公演回も増えてきました。
これから観ようと思っている方も、リピートしたい方も、みなさまお早めに!
●公演情報●
5月24日(土)まで上演中 帝国劇場(東京)
7月19日(土)~8月3日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
8月10日(日)~9月7日(日) 博多座(福岡)
9月13日(土)~24日(水) 中日劇場(愛知)