「ZANNA ザナ ~a musical fairy tale~」稽古場より

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18日からの開幕を控えた某日、ZANNA ザナ ~a musical fairy tale~」の稽古場にて、初の衣裳付き通し稽古が行われました! 報道陣にも公開されたこちらの稽古、げきぴあでは当日の様子を写真つきでご紹介して参ります。

 

同性同士のカップルが当たり前で、異性同士のカップルが差別される"あべこべ"の世界を生きる高校生たちの甘酸っぱい恋愛模様が描かれたこの物語。タイトルにもなっている魔法使いザナによるカップル作りの奮闘ぶりがなんとも愛らしいのですが、学内で上演することになったミュージカルがきっかけで、少しずつ今まで見ていた景色が変わってきて......

 

そんなこの作品の始まりはオフオフでの上演。2002年にオフ・ブロードウェイに進出したのちは、ロンドンや韓国をはじめ70にも上るプロダクションで上演を重ねてきました。各国で人気のミュージカルがいよいよ日本初上陸です!

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<写真>左より岡田亮輔さん、千葉直生さん、渡部豪太さん、田中 ロウマさん、上木彩矢さん、高垣彩陽さん、東山光明さん、Spiさん


当日は初めて衣裳をつけての通し稽古ということで、稽古場には緊張感がありつつも、キャストのみなさんもスタッフのみなさんも始まる前からテンションがアップしている様子。挨拶のときも「イエーイ」とファンキーな盛り上がりを見せていました。直前まで細かい部分を確認しながらも、役を演じられることが楽しい、といった雰囲気。

 

ストーリーが始まると、海外ドラマのようなポップなカラーの衣裳を身につけたキャストのみなさんの、17歳になりきったパワフルな演技に釘付けに。ノリのよいミュージカルナンバーは観ているこちらまで一緒に歌いだしたくなります。

冒頭『エクストラ・ラブ』はこの作品のキーとなりますが、男の子同士、女の子同士の恋愛が当たり前の世界、アメリカの高校で繰り広げられる青春ラブコメディー、それらが一気に観客へと伝わるナンバー。それらをとてもキュートに、個性豊かに演じているキャストのみなさんのおかげで、歌が終わる頃には、舞台のハーツビルに自分も迷いこんだ気分に。

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リズミカルな楽曲とともに展開していくストーリーですが、一歩裏に入れば早着替えにセットチェンジと、こちらもテンポよく展開していきます。

 

田中 ロウマさん演じるちょっぴりおせっかいな魔法使いザナのビビッドなピンクを貴重とした衣裳はとても印象的! 実は魔法のスティック、毎回「キラリーン」という効果音が微妙に違うんです。観劇の際はスティックの表情の違いを楽しんでみるのもいいかもしれませんね。

 

そしてそんなザナのおせっかい?! が功を奏して、ハーツビル高校の中では新たなラブのはじまりが......

 

転校生スティーブ(渡部豪太さん)は、最初周りのみんなに馴染めるか不安な様子。彼はアメリカンフットボールの選手(実際はアメリカで大人気のこの競技も、あべこべの世界ではマイノリティなスポーツ)なのですが、その試合を観に来ていたチェスのチャンピオンで学内一のアイドル・マイク(東山光明さん)の間にどうやらラブの予感が。

 

はたまたあちらでは、高垣彩陽さん演じる優等生のケイトと、アルバイトも手につかないほど恋愛に必死な上木彩矢さん演じるロバータも、お互いに運命を感じて......

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と、いたるところでラブ注意報発令中なハーツビル。2組以外にもプロム委員のキャンディ(千葉直生さん)、そのうしろを大きな体とは相反して従順にくっついていくアーヴィン(Spiさん)、スクールDJタンク(岡田亮輔さん)、なんとザナもラブの対象に!!

そしてまさかまさかスティーブとケイト?!

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5_407A0736-g.jpgどんどん加速するストーリーの中で湧き上がる彼らの気持ち。

このもやもやは何? と疑問でいっぱいのラブの始まり、相手に伝えたいのに伝わらないもどかしさ、わかってもらえない苛立ち、それでも好きというせつなさ。これはきっと誰もが一度は経験したことのある気持ち。

 

それをストレートに歌って表現してくれる彼らに、つい引き込まれ、応援したくなってしまうのです。

 

恋をするといつも以上に自分のコンプレックスが見えてくるもの。

「もしかしてこれってマイノリティ?!」と不安になることも。

"あべこべ"な世界に住む彼らもそれは同じ。それでも、悩んだり苦しんだりする中で気づくたいせつなこと。

最後は観ている私たちの背中も「あなたはあなたのままでいい」と押してくれるのです。

でも決して重くならないのは、とてもPOPな楽曲とキュートな彼らの頑張る姿に心を奪われてしまうから。

きっと観終わって帰るときには、スキップをして、劇中のナンバーをつい口ずさんでしまうのではないでしょうか。

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今 回とても印象に残ったのは、ケイト役を演じた高垣彩陽さん。声優のお仕事をされている高垣さん、早口ことば的な台詞もお見事! といった感じ。そしてユニットやソロでもCDをリリースされるほど歌唱力が有名な高垣さんが、個性豊かな中に入ったらどうなるんだろう? と気になっていましたが、かわいくも迫力のある声とエンジェルボイスの使い分けで、くっきりと輪郭を作っていました。ちいさな体からは想像のつかないこの迫力は是非劇場で!

 

そんな魅力溢れる「ZANNA ザナ a musical fairy tale~」は、218日(月)シアタークリエにていよいよ開幕です!!

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