劇団四季『リトルマーメイド』稽古場レポート Part1

■劇団四季『リトルマーメイド』が出来るまで vol.2■

劇団四季の待望の新作ミュージカル『リトルマーメイド』。
『美女と野獣』『ライオンキング』『アイーダ』とヒット作品を次々と生み出している四季とディズニーの提携作第4弾、さらに劇団創立60周年の記念作品でもあり、熱い視線が注がれています。
今週末・2/10(日)にはいよいよチケットの一般発売が開始に。
いち早くこの作品を楽しみたい方はご注意ください。四季の注目作はいつも、開幕数ヶ月分はあっという間に完売してしまいますよ！

なお、げきぴあでは、この注目作を連載の形で追っていきますので、お楽しみに。
第1回でお届けした製作発表レポートに続き、今回は現在の稽古場の様子をレポートします。

稽古開始時間になると、海外スタッフが登場。
現在は演出補のクリスチャン・ダーハムさん、
振付のジョン・マッキネスさん、
音楽監督のマイケル・コサリンさんの3名が来日しているそうです。

皆さんが集まって数言を交わしたのち、カンパニーはふたつの稽古場に分かれました。
動き(振付)を中心にやる稽古場と、ナンバー中心の稽古場に分かれる模様。
ナンバーを中心に見る稽古場では、冒頭早々、エリック王子のシーンからスタートしました。
俳優の皆さんは読み合わせや歌稽古などをすでにずいぶん前から重ねられているそうですが、音楽監督のマイケルさんは来日したばかりで、彼による歌稽古は、取材当日でまだ2日目だとのこと。

海で意識不明の中、人魚のアリエルに助けられたエリック王子を、エリックの執事グリムスビーが発見するシーンです。
エリックは上川一哉さん、グリムスビーは松下武史さん。クリスチャン、マイケルの両氏からは
「エリックは今、冷静に考えられる状態ではない。いろんなことが頭の中に渦巻いていて、それをそのまま口に出している。今のだと冷静すぎます」
「(松下に)そこでは感情が高まってしまったら、エリックに抱きついてしまってもいいです。それだけの心の衝動があなたの中で起こっていれば」
といった心情の細かい説明から、
「最後の捌けるタイミングが遅かった」
といった動線に関することなど、様々な方面からの演出がなされていきます。

手前がマイケルさん、奥がクリスチャンさんです。
こちらは上川さんへの"ダメ出し"を、少し離れたところから食い入るようにきいている、もうひとりのエリック役候補・竹内一樹さん。
竹内さん、まるで受験生のよう...。
台本＆ノートが、書き込みで真っ黒でした。
今度は竹内さんエリックで。
なお、海外スタッフが来日しているので、俳優のみなさんは自分の名前をアルファベット表記で胸につけています。
今度は竹内さんへのダメ出しを、少し離れたところから上川さんが、こちらも聞き逃すまいといった表情できいていました。
少し進んで今度はエリックが耳に残るアリエルの歌声を思って歌うナンバー『あの声(Her Voice)』のシーン。
上川さん、歌い上げてます～。いい声！ここではクリスチャンさんから「強調したいところを強調して歌っていいですよ。冒険好きというエリックのキャラクターを考えて、自由さを探求して」といったような指摘も入りました。

クリスチャン＆マイケル両氏からは膨大な情報が俳優に伝えられていきます。
それを真剣な表情で受け止め、短いシーンを何度も繰り返し演じ、エリック王子をつくりあげていくふたり。

開幕まで2ヵ月。
まだまだ先のようですが、すでに稽古場は一瞬も惜しむかのような密度で動いていました！

真剣そのものの稽古場でしたが、こんな表情も...。