完全版・人間失格の出演者紹介も残りあとわずか。稽古期間も残りあとわずか。日々、稽古の追い込みが加熱白熱しつつあります。今日は劇団員の東谷英人をご紹介!
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『完全版・人間失格』出演者紹介その9:東谷英人(DULL-COLORED POP)
質問1.私の「人間失格エピソード」を教えて下さい。
もう時効かな。学生の時なんですけど、舞台の本番に行かなかったことがあって。細かい理由は思い出せないんですけど、起きた時には開演五分前で、その時けっこう遠い家に住んでいて。
普通だったらあわてるじゃないですか。でも意外とそういう時って冷静で、あ、もう間に合わねえやってって思っちゃって。そっから急いで準備したらまあ開演中には着くだろうに「あ、腹減ったな」って思って自分家の最寄駅の定食屋に入ってスポーツ新聞をのんびり読みながら飯食って、それでしれっと会場に向かったんですよ。
でもそりゃ俺も罪悪感はあるから、会場着いてみんなに殴られる覚悟で行ったんですよ。そしたら逆にみんな優しくて。「あ、東谷くんおはよう」「よく来たな」みたいになっちゃって。結局俺は一発も殴られなくて、誰にも怒られなくて。なんだよ怒んなきゃだめだよって逆にむかむかしてきちゃって。まあなんでみんな怒らなかったのかわからなかったんですけど、なんだかんだソワレも出ちゃったんですよね。それがまあ、人間失格エピソードかな。
質問2.人間失格かるた。出された文字を頭文字に、カルタの文句を一つ、アドリブで作って下さい。
[そ]「ソワレには間に合いましたよ、マチネでなかったけど」
[ふ]「普通なら殴るべきなのに、ダメすぎて殴られない」
[り]「理由などあってもなくても本番こないのダメ」
質問3.原作で葉蔵たちがやっている、「アントニムごっこ」。相手の出した言葉の対義語を考える遊びです。お題を出すので、それぞれの対義語をお願いします。
Q.[役者]のアントは?
A.無人。人をエネルギーというものに例えられるとしたら役者にはエネルギーがあって、その逆にエネルギーがないとしたら無人かなと。
Q.[文学]のアントは?
A.落語。忠臣蔵とかに例えると文学が戦った人だとしたら落語はそこから逃げた人、つまりダメな人を描いている。
Q.[権力]のアントは?
A.敗北。権力は勝っていけばついていくもの。だから権力に付随しているものが勝利であるとしたら、権力の対義語は敗北、かなと。
質問4.最後に、意気込みをお願いします!
最新作が最高傑作だと言えるようにします。また今回の公演がターニングポイントだと思うので頑張ります。
[Twitter] @azumaya8
[公式プロフィール] http://www.dcpop.org/members/azum.html
[ブログ] http://ameblo.jp/e-az/
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東谷くんも初演の短編版・人間失格からのご一緒組で、思い起こせば初演版では大変タイトなスケジュールの中でご出演を願いまして、他の人より合流が2週間くらい遅れたんですね。ところが追い込み、本番と密度が高くなるにつれ、いつの間にか演出補と言うかムードメーカーと言うか、要は稽古の際一番声がでかい奴になり、現場の中心を担う人物になっていきました。
俳優に要求される能力はいろいろあります。技術、魅力、個性、人気、知識、知恵、体力、その他いくらでもあげられるけど、結局は現場・作品にどれだけ寄与できるか、ということです。自分の知識と技術と経験で現場に寄与するベテランもあれば、熱意と個性と体力で現場に熱を与える新人もいて、東谷は、熱意と個性と哲学と、稽古における声のでかさで、へんてこな骨格の身体をぐにゃぐにゃ動かしながら、現場・作品に寄与しています。本番での活躍をお楽しみに!