本作は、2008年に「シリーズ・同時代」の第3弾として上演された舞台の再演。初演では男を描く芝居が得意だと思われていた蓬莱竜太が、女だけの芝居で「閉経」や「妊娠」をテーマに描き、同年度の第53回岸田國士戯曲賞を受賞した。

物語は長崎のとある田舎町の旧家が舞台。
東京で一人暮らしをしている40代のミドリ(秋山菜津子)が実家に帰ってきた。
仕事は順調だが、どうやら交際相手と喧嘩をして別れたらしい。
母親のヒロコ(三田和代)はその話を聞いてがっかり。
と言うのも、長女であるミドリに結婚して本家の血を継いで欲しいと切望しているからだ。
ところが、ミドリは来るべき生理が来ない...閉経したかもしれないから無理だという。
一方、ミドリの妹キョウコ(魏涼子)は自由奔放で、彼女の娘ユリア(前田亜季)の父親は誰だか解らない。
ヒロコはそんな次女を本家の恥だと思っている。

ミドリに対し、こうあって欲しいと願う母。
何とか自分の立場を守ろうとするミドリ。
大母様のタマエ(中村たつ)や村の女の子のマオ(大西風花)が間に入り、なだめるものの、ヒロコの小言は止まらない。

祭りの日、この地方の慣わしで、男たちは祭りに出掛け、女たちは家で宴会の準備をしている最中、突然ユリアが現れた。
しかもユリアは妊娠しているらしい。
さらにミドリの閉経も単なる勘違いで、本当は妊娠じゃないかとヒロコが言い出し...。

登場するのは10代から70代までの世代の違う6人の女たち。
女同士ならではの赤裸々なトークがコミカルに展開する。
出演は、子役以外(初演から4年経っているため)初演と同じメンバーで、息の合った女優たちの演技はパワー全開!
特に、アラフォー女性には切実とも思える「待ったなし」の状況を秋山が体当たりで演じている。
演出は栗山民也。

公演は新国立劇場 小劇場にて15日(日)まで上演。その後、4月18日(水)長野・まつもと市民芸術館、21日(土)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、28日(土)山形・シベールアリーナと各地を回る。

【舞台写真】撮影:谷古宇正彦














































