『エリザベート』エリザベート役 春野寿美礼さん&瀬奈じゅんさんインタビュー

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■『エリザベート』への道 2012 第16回■

『エリザベート』
キャストインタビューシリーズ、本日は主人公エリザベートに扮する春野寿美礼さん瀬奈じゅんさんの登場です。
宝塚時代を一緒に過ごしたおふたり、とても仲が良く、この対談も大いに盛り上がりました。

今回はげきぴあは、@ぴあニュース インタビューとは異なる対談形式のインタビューを掲載いたします!
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●春野寿美礼 × 瀬奈じゅん『エリザベート』エリザベート役対談●


 

--お二人にとって『エリザベート』はどういう作品ですか?

春野
「私の中で『エリザベート』という作品は、すごく高い存在に位置しているもの。そして宝塚時代に出演させていただいた『エリザベート』という作品と、今回やらせていただく『エリザベート』という作品、私の中ではまったく違うものと捉えています。多くの方に支持されている作品ですので緊張感もすごくありますが、あまりそういうことにとらわれすぎないように、作品の中に入っていって、しっかりと作品の良さを味わいながら挑んでいきたいです」

瀬奈「私のターニングポイントとなるような時期にこの役をやらせていただいていて、私にとっては本当はすごく苦しい作品なのですが、同時に自分を成長させてくれる作品でもあります。この作品との最初の出会いは、春野さんの(花組トップ)お披露目公演の時。ルキーニ役でしたが、大劇場でひとりで歌ったり(たくさんの)セリフを言ったりというのも初めてで本当に大変だったのですが、ルキーニをやったことで低い声が出るようになったとか、少しずつでも自分を成長させてくれました。その時もすごく苦しかったのですけれど」

--今も苦しいですか?

瀬奈「(宝塚で出演した3回が)ずっと苦しかったから、前回は苦しまないような方向に、自分の精神状態を持っていこうと思ったのですが、苦しまなきゃいけないんだなって気付きました」


gekipia5_MG_2459.JPG--エリザベートというキャラクターの魅力、またご自分と重なるところはありますか?

春野「ストイックなところは理解できるかな。あそこまでストイックじゃないですけど(笑)。ちゃんと自分の意思でもって自分の道を歩いていっているところが魅力ですよね」

瀬奈「わたしも春野さんではないのですが、ストイックなところはわかります。あそこまではいかないけれど、自分もそういう思いで今までやってきましたので。ただ、あまり人としては理解できない(笑)。ああいう環境、状況になったらすごく理解できるのかも...。エリザベートの魅力は、戦っている姿ですね。この作品ではトートと戦っていますが、それはイコール自分と戦っているということ。自分と戦って、何かを得ようという姿が魅力じゃないかな」


gekipia4_MG_2501.JPG--お互いのエリザベートの印象は

瀬奈「まだあまりお稽古が進んでいないのですが、なんかねぇ...うーん、ゆったりしてる」

春野「ゆったりしてる!? ...まだでも全然出来ていないよ」

瀬奈「でもそういう、一生懸命、必死な時のほうが本質が出るじゃないですか」

春野「でもね、あれもこれもやりたい!って思っているんですが、実際やってみると、段取りに追われてついてこなくてもどかしい。もちろん自分の理想というものがあるのですが、稽古が佳境に入って、自分がすごく悩まされて行き詰って、というのを経験して、そこを突破していかないと成長できないかなって思っているので、早くそういうところまでいきたいですね。今はまだ教えてもらうことを理解していくって段階で、あさこ(瀬奈の愛称)がやっている姿を見て教えてもらっている状態です。だから、あさこが演じるエリザベートはどんなかんじ、っていうより、"こういう風に動くんだ、こういう風に段取りをとるんだ"って見ちゃっています。一番見れているようで、見ていないかも」

瀬奈「うん、私もまさちゃん(春野の愛称)がやっているのをみて、自分と重ねて、自分が描くエリザベート像の感覚で見ちゃうな。実際はまだちゃんとは見れてないかも」

春野「でも、まずどんな感じかを、先にやって見せてくれるのは心強い。エリザベートだけの動きでいいのかっていうとそうじゃなくて、大勢の方が絡んでいてその方たちとのタイミングもある。こちらがセリフを言っていてあちらが歌を歌う、とかね。すごく細かいタイミングがあるし、相手をみて自分の呼吸を計らなきゃいけなないから、まずやって? っていつもお願いしちゃう。いきなりやって、周りの方に迷惑かけてもいけないし(笑)」

瀬奈「わかるわかる。だからそこは素直に、私、先にやりまーす、って言ってます(笑)。本当に細かいんですよ。そのサス(照明)はこの曲の何小節目で移動します、それまで動かないでください!とか。ちょっと動いて歌いたいなって思うところでも、じっとして歌わなきゃいけなかったりするのは大変」

春野「ね! 段取りと、自分がやりたいことを結びつけるのが難しい。それに私、動きがあんまり機敏じゃないので(笑)。バートイシュルのシーンでも、ハイ立って!あそこいって!おさ(春野の愛称)、そんな手いらない!とか小池先生に言われて(笑)。動かしているつもりなくても手が動いていたみたい(笑)」

瀬奈「やってたよ(笑)。可愛いのそれが」

春野「とにかく早く立って前に行け、って言われるんだけど、行けないのよ...。でもあさこがやると、「うんうん、そうそう」って小池先生おっしゃるのね。私も同じようにやっているつもりなのに!(笑)」

瀬奈「でもね、歌いながら側転しなきゃいけないシーンがあるんですが、春野さん、側転を生まれてこのかた一回もしたことがないって言ってたんです。でも一回でできちゃったの! でも小池先生、「できたじゃん」とかもなく素通りなのね。私だけが「うわー!」パチパチ!ってすごい勢いで拍手して」

春野「そこは先生から評価されないんですよね...(笑)」


gekipia3_MG_2472.JPG--最後に、おふたりがお好きなナンバーを教えてください。

春野「いっぱいあるなあ...うーん。「あなたが側にいれば」も大好きだし、フランツと争うところも、精神病院のシーンも好き。...たくさんあって選べないです。もちろん曲がいいっていうのもあるけど、そこにある感情が。たとえばラストシーンだったら、本当に何もなくてただ衝天する感覚とか、1幕の最後だったら「私が勝ち取ったんだ!」という感情とか。いろいろな洗練された感情、感覚を音楽で表現するというのが、鳥肌が立ってしまうくらいで、どのシーンもどのナンバーも好きです」

瀬奈「私は、一番好きなのは「パパみたいに」。あれがエリザベートの本来の姿だと思うから。それがどう変わっていくかというのがこの作品なのですが。...実際歌うとすごく難しい曲なんですけどね。聴いていて一番好きなのはあの曲かな。でも私もいっぱいあります。「夜のボート」とか「あなたが側にいれば」とか...」

 

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撮影:西村康

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