はじめまして。6/10よりシアタートラムにて『モリー・スウィーニー』の翻訳・演出を手掛けます、谷賢一です。これからしばらく、「げきぴあ」にてブログを更新させて頂きます! カレーとロックと世界平和が大好きな29歳です。
......まずね、翻訳・演出っていう肩書き、どうですか。珍しくないですか。珍しいんです!
今回、原作はアイルランド演劇界での最重鎮、ブライアン・フリールの『モリー・スウィーニー』。93年に初演されて以来、国内外で数多く再演されているこの名作を、僕は「翻訳」し、そして「演出」しています。
翻訳と演出が同じだと、こんなことができるんです。出演者の魅力をよりよく出すために、いくらでも再訳し直せる。稽古場で生まれたアイディアを反映するために、その場でテキストが再訳できる。
そして、演出意図に基づいて、そもそもの翻訳に強烈な個性が盛り込める。
出演は、南果歩さん、相島一之さん、小林顕作さんというベテラン揃いです。稽古場は静かな緊張感に包まれています。南さんがアイディアを述べる。相島さんが疑問を呈する。顕作さんがぶっ壊す。
えー、演出をしていると、いろんな質問や意見が飛んでくるもんですが、翻訳家でもある自分は、そこはこう、こういう意図、原文では
こう、演出意図はこう、と、そんな武器を得ることで、経験値としては一回りも二回りも上の俳優さんたちとつばぜり合いを繰り返しています。
若造VSベテランの戦い、そして、我々全員VSアイルランドの老大家の戦い。どうぞ劇場にてその成果をご堪能下さいませ!