■『レ・ミゼラブル』の魅力(4)■
5月2日、『レ・ミゼラブル』の出演者、オーケストラメンバーがボランティアで参加し、売上げは全額義援金として被災地に送られる《東日本大震災チャリティー・コンサート》が開催されました。
内容は第1部のコンサート、第2部のトークショー&チャリティー・オークションのイベントという2部構成。
コンサートは本編を抜粋し1時間20分にまとめたものですが、総勢75名が出演し、超・圧巻。
単純に考えても、アンサンブルも2倍だし、音の圧が、迫力がものすごい! そして、人数のせいだけではない熱気。
鳥肌が立ちまくりでした。
形式は、数本並べられたスタンドマイクに向かって歌う形で、後ろには歌っていない方たちが椅子に座っている......という、まさに"コンサート形式"だったのですが、
キャストは衣裳も着け、熱演。
プロローグから、司教様はスペシャル・キャストの林アキラさんが登場、
その後、『夢やぶれて』は現在出演中の知念里奈さん、和音美桜さんに加え、初演キャストの岩崎宏美さんの3人で歌い継ぎ。この日にしか観られない、トリプル・ファンテーヌでした。
ほかにも、今拓哉さんとKENTAROさんが交互に歌った『スターズ』、
原田優一さん、野島直人さん、山崎育三郎さんのマリウス3人で歌い継いだ『カフェ・ソング』、エピローグのバルジャンを迎えに来るWファンテーヌ(知念さん&和音さん)、Wエポニーヌ(平田愛咲さん&ジェニファーさん)など、普段の公演では味わえないコンサートならではのナンバーが次々と披露されました。
そして、エピローグ終了後には、鹿賀丈史さんら初演キャストが登場!
まず鹿賀丈史さん、今井清隆さん、別所哲也さん、山口祐一郎さんによる『彼を帰して』の四重唱!
もともとバルジャンのソロナンバーをわざわざこの日のために(多分)、四重唱にアレンジしての披露です。なんだか聖歌のような荘厳さすら漂っていました。
さらに、初演キャスト&スペシャルキャストによる、『ワン・デイ・モア』!!
バルジャン:鹿賀丈史、マリウス:野口五郎、コゼット:斉藤由貴、エポニーヌ:島田歌穂、アンジョルラス:岡幸二郎、ジャベール:村井国夫、テナルディエ:斎藤晴彦、マダム・テナルディエ:鳳蘭。
です。
マリウスの野口さん、コゼットの斉藤由貴さんは、スペシャル・キャスト公演にも出演しないですから、まさにこの日だけの夢の共演です。
この方たちが日本の『レ・ミゼラブル』の第一歩を作ったんだなあと、本当に感涙ものでした。
舞台上でも、石川禅さんや知念さんなど目に涙浮かべている人多かったです。原田さんなんて"滂沱"でしたよ。
そして第2部は、駒田一さん、森公美子さん、岡幸二郎さんの司会でチャリティー・イベントです。
↑森公美子さん
↑岡幸二郎さん
↑駒田一さん
まずは「『レ・ミゼラブル』という作品を通して私たちができることは何か。本公演の売上げの一部を義援金として被災地に送ったりもしていましたが、お客様と一緒に何か素敵なことはできないだろうか、そうした思いから開催の運びとなりました」と森さんが開催の趣旨を説明。
さらに1部のコンサートが「凄かった!」という感想を。
『レミゼ』は普段は31名でやっているそうですが、この日はW・トリプル・クワトロキャストの全員が同じ舞台にあがったということで「椅子が足りなかった」というエピソードなどが飛び出していました。
そしてキャストのインタビュー。最初に初演キャストの方々がご登場です。
「まさかまた歌うとは思わなかった」という野口五郎さんには、森さんも「野口さんに出てもらえるとは思わなかった、これはもうけもんです!」。
ちなみに斉藤由貴さんと歌を合わせたのは「初演以来、24年ぶり」とのことです。
こちらも24年ぶり、鳳蘭さんは「(初演が)16歳のときだから...」としょっぱなから笑いをとり、「鹿賀さんが歌いだすと全身ゾクゾクっとした。レミゼは素晴らしい曲ばかり」と話してました。
スペシャルキャスト公演の稽古中という斎藤晴彦さんは「くたびれ果てました...」と言いながらも終始笑顔。
司教役の林アキラさんは「僕も10年ぶり。今日もわずかなシーンで気持ちを伝えるのにドキドキした。被災地の皆さんの心の燭台に灯をともしていけたら」。
ちなみに岡さんは「僕はアキラさんの司教様の歌を子守唄に育ってきた」そうです(笑)。
岩崎宏美さんは「またレミゼの舞台に立てて光栄です」とご挨拶。
ちなみに「ご夫婦での共演はありませんね(笑)」「今ちゃん(今拓哉さん)は後から参加してるからね」と森さんとトークしていました。
島田歌穂さんは「毎回これで最後、これで最後、と思ってるのですが、また立たせていただいて嬉しいです(苦笑)。でももう本当に今回がこれが最後! また懐かしい皆さんと一緒させていただくのが嬉しく、特に今日は五郎さん、斉藤由貴さんもいて、本当に忘れられない一日になりました。この作品はいらしていただいたお客様に必ず勇気や力を感じていただけると思うので、ここから元気の輪が広がっていけば」。
そして岡さんよりミスター「レ・ミゼラブル」とご紹介をされた村井国夫さん。
「10年ぶりです。......明日からでも出来るんだけどね(笑)」と言いながら、「(1幕も)ホントはソロ歌いたかった!」と独特のテンポのトークで客席の笑いを誘っていました。
「今日の歌(ワン・デイ・モア)は僕いちばん嫌いな歌なんだよね、難しいから! 僕のいい声も出ないし」という村井さんは、本当は低音が響く『対決』とかを歌いたかったみたいです(笑)
でも、「僕の人生を変えた作品でもある。オーディションを受けて受かって、ジャベールをやってから、ミュージカルに出るようになって、いまだにやり続けている。10年ぶりにこの舞台に立って夢のようでした」と最後は真面目に。
さらに「今日はなぜかバルジャンだったもので...」という鹿賀丈史さんは、スペシャルキャスト公演ではジャベールとして登場です。初演時は鹿賀さんと滝田栄さんでバルジャンとジャベールを交互上演してたんですよね。「なんでジャベールじゃないんだろう!」という鹿賀さんに、逆に岡さんから「むしろ(スペシャルキャスト公演では)なんでバルジャンじゃないんですか?」
理由を鹿賀さん、「...(バルジャンは)人、担ぐでしょ。重い」「最初の衣裳が汚い」とボソッと。場内大爆笑!
それからちょっとまじめに「ジャベールの方が好きなんですよ。ジャベールの脆いところが好き。まっすぐに生きてきたけど、ポキッと折れてしまいそうな、そういう人なんです」と話してくれました。
そんな鹿賀さんのジャベール、5月10日からのスペシャルキャスト公演で観れますよ!
すみません、いつものように長くなってしまいました。
後半は後日また更新いたします。
『レ・ミゼラブル』本編(公演)は6月12日(日)まで。チケットは現在発売中ですが、売り切れの回が増えてきました。お早めに!