今月の歌舞伎「錦秋十月大歌舞伎」<夜の部>

☆☆☆かねこのぶろぐ☆☆☆


10月の"歌舞伎に行こう"企画は、夜の部です。
今月はさいたまネクスト・シアターのみなさまから観劇レポートをいただきました!

早速観劇レポートをご紹介...の前に、簡単に演目のご紹介です。

「盛綱陣屋」
大坂冬の陣を題材にしたこの作品は、敵味方に別れてしまった兄妹の悲劇を描いています。中でも、仁左衛門さん演じる盛綱の首実検の場面は思わずうなってしまうほどの名演技です。

「どんつく」
七、八、九世三津五郎の追善狂言です。
華やかな役者陣が常磐津に乗せて楽しく踊る舞踊劇です。

「酒屋」
上方狂言のこの作品は、夫が他の女と心中事件を起こした妻側のお話。
この妻、お園役を福助さんが演じます。


夜の部は演目のバランスもいいし、若者が観ても面白いんじゃないかな、と思いつつ、さて、さいたまネクスト・シアターの皆さんはどんな感想だったのでしょう。


★西村篤さんの感想★

親子の情愛歌い上げる名演。気品漂う舞台に名優が並ぶと、それだけで名画と対峙している心持ちがします。板のうえの名画が動きだしますと、『盛綱陣屋』忠義と情愛を計りにかけたこの演目は、小四郎の幼気な申し出で涙を誘います。回転する台座で語られる浄瑠璃と、見事に状況を描写する形とが心地よく交わり観る者を陣屋の物語に引き込んでいきます。忠義と情愛、どちらも嘲笑好きの現代人には薄れてきている心情ですが、物語に入り込めば自分の内に深いなにかを感じることができました。『どんつく』の軽快な舞踊で魅了されたあとは、『酒屋』さらに深い親同士の子への愛。夫へのけなげな愛。派手な動きはなく、語りで観客を魅了します。客席のお母様がたの啜り泣く音が聞こえ、主人公の心に親の心が少しでも察しられればと悔しく思いました。親子の愛を確かめることのできる素晴らしい舞台でした。


★小久保寿人さんの感想★

本格的な歌舞伎を見るのは初めてだったのですが、団十郎さんのやっていた役が自分の知っている人物の役だったので親近感がわき面白く見させて頂きました。
内容が理解出来るか不安だったのですが、イヤホンガイドがとても分かりやすく最後まで楽しめました。
特に印象に残った役者さんが秀太郎さん。一般的な歌舞伎とは少しスタイルが違う?様な芝居で新鮮でした。
特に、武士道の精神をとるか、家族の絆をとるかで葛藤するシーンでは、役の内面が非常に伝わってきて感極まる所がありました。
他の方々も見栄のきりかた、身体の使い方、所作、間の使い方、すべてが勉強になりました。
どんつくでは江戸時代の人々の遊びが垣間見れて得した気分でした。
その中で、団十郎さんが色々な技に挑戦していて、失敗もしていたのですが(そこが可愛かったのですが)純粋に歌舞伎の中でのエンターテイメントを見ている様で非常に楽しく見させて頂きました。
最後にお客様の顔ぶれを拝見していると、やはり年配の方が多くお友達同士で弁当を広げながら、観劇を心から楽しみにしていた感じで演劇の本来の姿みたいなものを見れた気がしました。


★中村千里さんの感想★

三津五郎さんの『どんつく』が最高でした。かわいくて、あきさせなくて、ずっと見入ってしまいました。誰よりも姿勢を低くして、耐えず笑顔を絶やさず、洗練された芸をおどけて演じる。こんな芝居を世界中の人がちょっとだけでも身につけられたら、世界はきっともっと優しい場所になるんだろうなぁ。私もそういう人になりたいなぁ。と思いました。


★浅場万矢さんの感想★

生で歌舞伎を見るのはこれで3回目ですが、時代物、舞踊、世話物と三種三様、まるで違う世界感のものが見れたのは初めてでした。
今日の3つの演目を比べてみるだけでも、歌舞伎の多様性、歴史、文化の深さに気付かされました。
"歌舞伎"と言うと、全て同じ様式を想像してしまうこともあると思うのですが、やはり時代ごと、演目ごとに演技も音も、言葉も舞台装置も全然違って、そのそれぞれの面白さを比較しながら味わえる素敵な公演でした。
私が一番好きだったのは『どんつく』。
現代では言葉の分からない台詞も多い歌舞伎ですが、やはり舞踊は言葉なしに感覚で楽しめる面白みがあるので、純粋に見ているだけで楽しかったです!


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みなさん楽しんで歌舞伎を堪能されたようですね。

チケットもまだ買えます!秋の思い出のひとつに是非新橋演舞場までお出かけ下さい。

ぴあ特別企画は良席保証なので俳優の表情もよく見えておススメです。

新橋演舞場・錦秋歌舞伎公演チケット<ぴあ特別企画>

新橋演舞場・錦秋歌舞伎公演チケット

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感想を寄せて下さった、さいたまネクスト・シアターの舞台「美しきものの伝説」12/16(木)より彩の国さいたま芸術劇場インサイド・シアターにて上演予定です。

さいたまネクストシアター

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