2019年10月31日アーカイブ

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2015年、劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、太宰治の未完の遺作小説をベースに、まったく新たなドラマを紡ぎ出し、数々の演劇賞を受賞した舞台『グッドバイ』

その『グッドバイ』が、2020年1月〜2月に"KERA CROSS第二弾"として、生瀬勝久が演出藤木直人ソニンをはじめとした個性溢れる俳優陣が出演することで早くも話題となっているが、この度、全キャストのビジュアルと配役が公開された。

 

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『グッドバイ』はKERA初のラブコメ作品であり、「人間失格」や「斜陽」といった太宰のデカダンス作品とはまた異なるコミカルでシニカルでユーモラスな魅力に溢れた作品。KERAは太宰の絶筆のバトンを引き継ぎ、生き生きと魅力的な登場人物たちのキャラクターを描き切った。

雑誌編集者をしながら、多くの愛人を抱える不埒な男・田島周二が、東京に妻子を呼び寄せ、女たちと別れようと思い始める。そんな時に、怪力で大食いの美女・永井キヌ子と出会ったことから、珍騒動が展開してゆく物語。

藤木が田島を演じ、キヌ子をソニン、小説家の連行を生瀬が演じることはすでに公開されているが、その他の全ての配役も発表され、このキャストが生瀬勝久演出の下、どのような化学反応を起こすのか期待感が高まる。舞台『グッドバイ』に初めて触れる観客も、KERA演出バージョンを見ている観客も、きっとそれぞれの楽しみ方が堪能できるに違いない。

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<全キャスト配役>

藤木 直人 : 田島周二 役(文芸誌「オベリスク」編集長)

ソニン : 永井キヌ子 役(闇市のかつぎ屋)

真飛聖: 田島静江 役(田島周二の妻)

朴璐美: 大櫛加代 役(内科医、田島の愛人)

長井短 : 水原ケイ子 役(挿絵画家、田島の愛人)

能條愛未 : 青木保子 役(美容師、田島の愛人)

田中真琴 : 草壁よし 役(百姓の娘、田島の愛人)

MIO : 田島幸子 役 (田島周二の娘)

YAE : 田島幸子 役 (田島周二の娘)

入野自由: 清川 役 (文芸誌「オベリスク」編集部員)

小松和重: 水原健一 役 (水原ケイ子の兄)

生瀬 勝久 : 連行 役(小説家)

【 KERA CROSS 第二弾『グッドバイ』 公演詳細 】

原作:太宰 治(「グッド・バイ」)

脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

演出:生瀬勝久

出演:

藤木直人 ソニン 真飛聖 朴璐美 長井短 能條愛未 田中真琴 MIO YAE

入野自由 小松和重 生瀬勝久

演奏:杉田のぞみ(Vn.)

全日程(2020年)

【東京】1月11日(土)~13日(月・祝) かめありリリオホール 

  2 月4日 (火)〜16日(日)シアタークリエ

【山形】1月16日(木) 山形市民会館
【新潟】1月18日(土) 長岡市立劇場
【広島】1月21日(火) JMSアステールプラザ 大ホール
【大阪】1月23日(木)〜26日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【香川】1月28日(火) レクザムホール(香川県県民ホール)小ホール

【愛知】1月30日(木)〜31日(金)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【福島】2月2日(日) パルセいいざか

【ストーリー】

田島周二は、妻子を田舎に残し東京で暮らす雑誌編集者だが、その体裁の裏では闇商売で儲け10人もの愛人を抱える不埒な男。しかしそんな田島もいつしか、妻子を東京に呼び寄せ女たちと別れようと思い始めたそんな折、怪力で大食いの美女・永井キヌ子と出会ったことから珍騒動が展開してゆく......。

【KERA CROSSとは】

ケラリーノ・サンドロヴィッチの数々の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいに創りあげる連続上演シリーズ。

第一弾 KERA ×鈴木裕美『フローズン•ビーチ』 (※2019年 終了)

第二弾 KERA ×生瀬勝久『グッドバイ』

第三弾 KERA ×河原雅彦

第四弾 KERA ×三浦直之(ロロ)

第五弾 KERA ×ケラリーノ・サンドロヴィッチ

     (作 × 演出 の順に掲載)

企画・製作=東宝  キューブ

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「演劇で大阪を元気にしたい!」を合言葉に、関西を拠点としたさまざまなエンターテインメントを展開中の劇団Patch。関西弁で「必死のパッチ」に由来する劇団名どおり、メンバーが全力で観客を笑わせ、感動させる舞台は、見れば元気をもらえること請け合いです。

1年ぶりとなる本公演のタイトルは、『カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!』と、「カーニバル」という言葉を13回も重ねた新作。

2019年10月31日(木)から11月3日(日)に東京・シアターサンモールにて、11月6日(水)から10日(日)までは大阪・ABCホールで上演予定の本作。"劇団史上、かつてないほどのチャンバラエンターテインメント"というその内容について、メンバーの田中亨さんと松井勇歩さん、近藤頌利さんにお話を聞いてきました。

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ーーたった今、ビジュアル撮影が終わったばかりとか。実際に衣装を着けてみていかがでしたか?

松井「今回の物語では、ビリー・ザ・キッドや武蔵坊弁慶、諸葛亮孔明など史実上の人物か、もしくは孫悟空など伝説の人物が出てくるので、衣装もそれを活かしつつ、舞台の上で動きやすいものになってるんですよ。一番派手なのが......」

近藤「僕が演じるチンギス・ハーンの金色ですね。マントもバーンとあって。まぁ、似合ってますね」

松井田中「(笑)」

ーー松井さんと田中さんに静かな笑いが広がっていますが......(笑)。

松井「いや、頌利(近藤)は派手顔なので本当に似合ってたよ(笑)」

近藤「よく存在が派手な分、3分で飽きるわ! と言われるので、飽きられないようにしないと」

田中「(笑)。僕は浦という役です。囚人服みたいなボーダーで、ダボダボの衣装なんです。うさぎの耳も付いているから可愛くて、けっこう気に入ってます(笑)」

近藤「最後までその衣装なの?」

田中「それは......見てのお楽しみです!」

松井「僕の演じる無銘の衣装のテーマは"和"ですね。僕も少しだけ提案をさせてもらったんですが、予想以上の素敵な衣装に仕上がって」

松井「ブルーのすごく綺麗な布で仕立ててもらって。僕の中ではこんなにシュッとした役と衣装はほとんど初めてなので、今からワクワクしているところです」

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ーー役どころをお聞きしただけでも面白そうなのですが、ストーリーはどう展開するんでしょうか?

松井「登場人物の生きた時代はバラバラなので、みんなもう死んでいるんですね。本作は、生前に罪を犯した人が送られた世界"月の牢獄"で展開する物語なんです」

田中「そんな中で、僕だけ普通の少年の役。ストーリーを引っ張っていく役どころでもあるので、今までとは違う引き出しを開けて、しっかりと演じたいですね」

近藤「脚本と演出が、今回は細川博司さん。これまでのPatch stageにない武器を使う殺陣があるので楽しみです。」

田中「そうなんですよ。登場人物全員に戦うシーンがあるから、僕も負けないようにしないと!」

松井「浦と無銘はどこの派閥にも属してないから大変(笑)。でもチンギス・ハーン軍もあちこちの派閥と戦うし、気を抜いてられないよね」

近藤「豪華な衣装を着て殺陣をしまくるのは大変だけど、まぁチンギス・ハーンですから、大将ですからね。気持ちよく斬りまくりたいです」

松井近藤「(笑)」

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ーー先ほど「無銘も1人で」とお聞きしましたが、詳しくお聞きしてもいいですか?

松井「僕の演じる無銘も記憶を失くしたまま月の牢獄に送られて、そこで出会うのが浦なんです。罪人しかいないはずの牢獄に、なんでこんな純真無垢な少年がいるの? というところから始まって、無銘はこの子を地球に帰すために戦おうと決意する......というストーリーになっています」

田中「無銘も最後まで袴のままなんですか?」

松井「それも実は......見てのお楽しみということで!」

近藤田中「(笑)」

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ーー劇団の本公演としては、1年ぶり。「カーニバル!」が13回も連なっているタイトルはどうやって付けられたんですか?

松井「とにかく、ド・エンタメをしたい! 祭りにしたい! という気持ちがメンバーの中にあって。いくつか候補がある中で、一番"祭り感"があるものを選びました」

田中「内容も笑いあり感動ありで、いつもの劇団Patchらしさが詰まってますよね。そのうえで、前回より上回るものを作りたいと思っているので稽古場が大変そうですけど、それが楽しみでもあって」

近藤「僕はここまでドッシリ構えて皆を引っ張っていく役が初めて。ドキドキするけど、その分やりがいがあるなと感じてる」

松井「そうそう。今回のあて書きは、細川さんから見たメンバーの第一印象によるものなので、普段僕らが互いに持っている印象とは違うんだよね。でも細川さんの観察眼によってあて書きされたものは、やっぱりそれぞれすごく似合っていて。頌利のチンギス・ハーンも初めはビックリしたけど、今じゃピッタリ!って思うもん」

近藤「そういう松井さんも、今までとは違う役どころで」

松井「今までは元気印な主人公というイメージの役だったけど、今回は"美"というかね。殺陣にしても指先まで気を遣って、魅せる殺陣を研究したいなと」

田中「僕は少年役というのは今までもやってるんですけど、今回はみんなを巻き込んでいく役どころです」

松井「この子でストーリーが動きますからね」

近藤「プレッシャー(笑)」

田中「(笑)。ボーダーの服を着た普通っぽく見える少年が、他の派手な登場人物たちを巻き込むというのはどうすればいいんだろう? と悩み中ですが......。これもチャンスと思って乗り切りたいです」

近藤「劇団員全員がそろう本公演って、謎に緊張するけどやっぱり楽しみだもんね」

松井「外部出演で吸収したものを、本公演にフィードバックするという意味でもね」

近藤「コイツのこと何て呼んでたっけ? とか......」

松井「そこからかい!」

近藤田中「(笑)」

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取材・文 佐藤さくら

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