夏の終わりである8月30日に開催される『なつのおわりのゾンビフェス!』。"ゾンビ"をテーマに様々な表現者が、渋谷の劇場CBGKシブゲキ!!に一堂に会します。SFなど壮大なテーマもひとりで演じ切る一人芝居の名手・入江雅人さんが手がける一人芝居をはじめ、落語、コント、歌、無声映画の活弁など、多種多様な演目が一気に楽しむことのできる一夜限りのこのイベントについて、ホストを務める入江さんに『なつのおわりのゾンビフェス!』の魅力と共に、そもそもなぜ、今、"ゾンビ"なのか? その核心を聞きました。
-入江さんは以前からゾンビをテーマにした一人芝居をされています。そもそもゾンビをテーマに作品を作ったきっかけは何ですか?
入江「映画『ゾンビ』(1978/ジョージ・A・ロメロ監督)が公開された当時は、ゾンビを普通に気持ち悪いと思っていました。そのロメロの世界観の"ゆっくり歩くゾンビ"が映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004/エドガー・ライト監督)では、イギリスを襲うという、いわば日常の中にゾンビが出てくることを笑いにしていたんです。その映画を観た時に、 この感じを舞台でやったら面白いんじゃないかと思ったのが始まりです。そこから一通りのゾンビ映画を観て、出来ると確信しました。作品として生まれたのは、2010年。劇団SHA.LA.LA(※)復活公演の時の『DONNA SUMMER NIGHT』ですね。その中で余ったエピソードを一人芝居の作品にしたのが、『帰郷』という作品です。」
※劇団SHA.LA.LA:出川哲朗が座長を務め、ウッチャンナンチャンらと共に結成。入江は脚本・演出も務める。
入江雅人グレート一人芝居『MY GREATEST HITS』/2011年10月 より