みなさん、はじめまして。
演劇集団円演出部の森新太郎です。
...せっかくなんで『ガリレイの生涯』のお話を少ししますか。
この作品は1人の科学者の生き方が書かれていて、ガリレイの飽くなき探究心と、そのときの社会状況や国家権力、民衆の力などに揺さぶられてしまう姿に焦点があてられています。
3・11の後、科学と社会のあり方を今一度見つめ直さなくてはいけない時期であると思い、この作品を選びました。
みなさんご存知の通り、ガリレオ・ガリレイは中世ヨーロッパに実在した科学者で、宗教裁判において自説(地動説)の撤回にまで追い込まれた人物です。
しかし、ブレヒトの描くガリレイは、教科書で教えられる「科学の受難者」的なヒーロー像とはまるで違います。
正直、あまり身近にはいてほしくないような人物かもしれません。とにかく"欲望"の塊です。困った人です。
しかし、彼の探究心もそこから湧いてくるのです。
人間的と言えばあまりに人間的な人物として描かれており、そんな彼の"苦悩"と"屈服"は我々にも身につまされるものがあります。
さてさて、今作は劇中で約30年の時間が経過します。
ともなれば登場人物の数も多いわけで...
なんと80近くの人物が登場します!
それを演じ分けるのは円が誇る21名のキャスト!!
うちの役者はみんな芝居が「上品に収まりたくない、まずは体を動かしたい」って感じで良くも悪くも野生的です。
でもそれが「円」の特徴の一つじゃないかと思ってるんですけどね。
『コレが円だ』と言える作品になると思うので、7月はシアタートラムへ是非お運びください!
これから稽古場の様子や今回の見所、私の"苦悩"とほんの少しの"屈服"(?)をお送りできればいいなと思ってます。
ではまた。