2019年7月30日アーカイブ

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作・飯島早苗、演出・鈴木裕美によって、'93年に「自転車キンクリート」で初演された『絢爛とか爛漫とか』。これまで、さまざまな演出家、キャストによって上演されてきた名作ですが、この夏、21年ぶりに鈴木裕美による演出、安西慎太郎・鈴木勝大・川原一馬・加治将樹という顔ぶれで上演されます。

→演出家&キャストによる座談会はコチラ

先日その顔合わせ&本読み(座った状態で台本を読んでいくこと)が行われ、げきぴあはその現場に潜入。その様子をお届けします!

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まずは、スタッフ・キャストが揃っての顔合わせ。皆さんからご挨拶がありました。

◎演出・鈴木裕美さん

「すごくおもしろそうなメンツで、再びこの作品ができることをとても嬉しく思っています。すごく"役者だな"と思っている人たちに集まっていただいているので、どう生き生きと人物をつくっていくかということが稽古の中心になると思います。初演を演出していますが、当時の読み方にこだわるつもりは全くありません。この4人のキャストと私を入れた5人でどこに辿り着けるのかを楽しみにしたいと思います」

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◎作・飯島早苗さん

「この作品をザックリ言うと『自分のことを利口だと思っている青臭い馬鹿が喋っている』、それだけの話です。(一同爆笑)。なので、俳優さんが魅力的な人じゃないと目も当てられない(笑)。観る人にとっては楽しいけれど、やる人にとっては台詞がすごく多くて申し訳ない作品、私も楽しみにしています。よろしくお願いいたします」

◎安西慎太郎さん

「この日をすごく楽しみにしつつ、いろんなプレッシャーもあります。僕は自分の役と同じでとにかくぐずぐずした人間なので(笑)、そこは使いつつ、考えることをやめずに、皆さんと手を繋ぎながら戦っていけたらいいなと思っています。最後までよろしくお願いします」

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◎鈴木勝大さん

「台本を読んでいる間になんだかよくわからなくなってきてしまって(笑)。最初にこの本を手にして読んだときよりも彷徨ってしまっているので、皆さんの芝居を観たりする中でいろんなものをもらいながら、ひとつずつ自分の中で答えを見つけていけたらと思っています。よろしくお願いします」

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◎川原一馬さん

「僕はこんな声ですし、こういう喋り方ですし、雰囲気的にも加藤という役はすごくやりやすいと思っています。変態的な部分はすごく持っていると思うので(笑)、そこを存分に出させていただいて、4人で一緒に馬鹿なところとかわいいところを出せるようにがんばっていきたいと思います。よろしくお願いします」

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◎加治将樹さん

「4人芝居なので、いろんなものがバレると思います。なので楽しんで、最後のほうは4人で全裸でやっても楽しめるくらいな感じになれたらいいなと思っているので.........よろしくお願いします!!」

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皆さんの言葉からもわかるように、とても和やかな空気のなか、顔合わせは終了しました。少し休憩をはさんで、読み合わせがスタートです!

あらすじ

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1年前に発表された処女作以降、2作目が書けず悩む新人小説家・古賀(安西慎太郎)の部屋に集う、批評家志望のモダンボーイ・泉(鈴木勝大)、自称耽美小説家の加藤(川原一馬)、非凡な才能を持ち破天荒で自由に生きる諸岡(加治将樹)。

移り変わる季節のようにゆれうごく夢と才能、理想と現実の葛藤の中で、友情や恋にもがきながら、それぞれの道を探していく。

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最初に鈴木裕美さんからセットや衣裳などの説明が一通り行われたあと、「やっちゃうか!」という声かけで読み合わせが始まりました。

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安西さん演じる古賀は「2作目が書けない」作家。物語が春、夏、秋、冬と進んでいく中で、時間の経過がもろに精神状態に反映されていきます。だから春に言われて平気だった言葉も、夏に言われるとグサッと刺さったりして...。誰よりも赤くなったり青くなったりしている印象でした。だからこそ演じる人によって全然違ったものになりそうな役。作品ごとに全然違う顔を見せる安西さんがどう表現するのかすごく楽しみです!

勝大さん演じる泉は、見た目もよく、頭もよく、おしゃれなモダンボーイの批評家。読み合わせなので当然動いていないのですが、勝大さんの台詞を聴いているともう泉のクールでスマートな身のこなしが見えましたよ!評論家ならではの視点やウィットもありながら、どこか抜けたかわいさに加え、古賀への愛も見どころかなと感じました!

川原さん演じる加藤は耽美小説家。惚れやすく、好きになった女性を主人公にして耽美な小説を書いて発表してしまうという......純粋な変態。すごいことを言っているときもあるのですが、川原さんのやさしそうな喋り方や雰囲気が妙にマッチしていて、なんだか「なるほど」と納得してしまいました。立ってお芝居するとさらなる化学反応的がありそうな予感がしています!

加治さん演じる諸岡は、非凡な才能を持ち破天荒で自由に生きる小説家。書けない書けないと病んでいく古賀とは対照的に、どんどん書くし、結末のない小説でも編集者に見せてしまうような人です。裕美さんが「脳と口が近い」と説明されていましたが、それゆえの愛らしさも魅力的に表現されていて、今回の読み合わせで一番笑い声が起きていたのは加治さんの芝居でしたよ!

4人がほぼ出ずっぱり&喋りっぱなしの作品。台詞量も膨大ですし、言葉を扱う小説家ゆえのやや硬めな言い回しなのですが、スルスル入ってくるのが不思議!

4人がずっとわちゃわちゃしていて、3人で結託して1人をダンスに誘おうとしたり、恋に関して強がってみたり、仲間を心配したり、春夏秋冬の出来事でみせるさまざまな姿が人間らしくてかわいらしく、ずっと見ていたいような気持になりました。

初日なのに、もうそんなことを感じさせられ、これからどんなふうに稽古を重ねて、どんな作品になっていくのかとても楽しみになりました。本番をお楽しみに!

『絢爛とか爛漫とか』は、8月20日(火)から9月13日(金)まで東京・DDD 青山クロスシアターにて上演。

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