2015年10月 9日アーカイブ
ウエンツ瑛士&濱田めぐみが演じる、時代の寵児の光と影
『ジキル&ハイド』等を世界的に大ヒットさせ、今年は『デスノート THE MUSICAL』世界初演を成功に導いたブロードウェイの作曲家、フランク・ワイルドホーン。彼が音楽を手がけたミュージカル『スコット&ゼルダ』が今月、日本初演の幕を開ける。主演はウエンツ瑛士と濱田めぐみ。開幕を目前に控えたその稽古場を取材した。

主人公はアメリカを代表する小説家F・スコット・フィッツジェラルドとその妻ゼルダ。フィッツジェラルドと言えば『楽園のこちら側』の大ヒットで若くして一躍名声を手に入れた男で、代表作『華麗なるギャツビー』は今でもアメリカ文学の最高峰と賞されている。そしてゼルダはその彼にインスピレーションを与え続けた運命の女。1920年代、狂乱のアメリカで時代の寵児となったセレブ夫婦だ。さぞかし華やかなアメリカン・ドリームの世界が描かれるに違いない......と思い足を運んだ稽古場だったが、その予想は心地よく裏切られた。
舞台写真撮影:Nicola Frank Vachon
世界のアートシーンを牽引するマルチクリエーターのロベール・ルパージュ。
ラスベガスで上演中のシルク・ドゥ・ソレイユ『KA(カー)』や、来年2月より日本公演が決定している『TOTEM(トーテム)』の演出を手掛け、"映像の魔術師"に相応しい魔法のような舞台で世界中の観客を魅了しています。
その彼が、1991年に初演した代表作『Needles and Opium』の完全リニューアル版を引っさげ、10月に来日公演を行います。
舞台写真撮影:Nicola Frank Vachon
『Needles and Opium』は"ルパージュ・マジック"と呼ばれる手法を世界に知らしめた記念碑的作品で、副題にある「針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~」のとおり、1949年に焦点をあて、当時活躍したデイヴィスとコクトーのイメージを召喚させながら、現代のある男性の内面を多層的に描いています。
さて、今作品のテーマのひとつに"麻薬中毒"があります。
詳しい方なら、マイルズ・デイヴィスはヘロイン中毒(=注射"針")、ジャン・コクトーはアヘン中毒だったなと、ピンとくるかもしれませんね。














































