2013年8月21日アーカイブ

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「猿股のゆくえ」を語るとき、中村方隆さんのことは外せない。
6年前、この台本を書いている最中に一枚の写真が送られてきた。
それは抗がん剤の副作用でスキンヘッドになった方隆さんの写真。
様変わりした姿にショックを受けたと同時に、無理はさせられないと予定よりも少し、出番を減らしたことを覚えている。

稽古場での方隆さんは、こちらの心配をよそに元気そのものだった。
いつもの細かすぎる芝居で皆を笑わせ、独特の間で私を唸らせる。稽古後に酒も飲んでいたし、こっそりタバコも吸っていた。
しかし、この作品が方隆さんの最後の舞台になった......。

方隆さんとの出会いは14年前、私が"すごい"と思った最初の役者さんだ。
以来、私のオファーを二つ返事で受けてくださり劇団にも二度出演、まだ素人同然の私たちを菩薩のような笑顔で見守ってくれた。
劇団にとっても忘れられない役者さんである。
病気を患い入院しても、心配かけまいと見舞いを拒否する方だった。
だから、稽古場で酒やタバコをのんでいたのも、体調の良さを装っていたのではないかと推測する。
治療しながらの稽古はさぞお辛かったに違いない。
そんな方隆さんに向けたメッセージのような台詞を、この作品にはしたためてある。
ご本人に伝わっているか定かではないが、今、読み返すと気恥ずかしい台詞である。
しかしその分、とても思い入れの強い作品になった。

方隆さんが演じた「坂本」という役は今回、モロ師岡さんが演じる。
方隆さんのイメージが強すぎて演出に戸惑ったが、モロさんのおかげで「坂本」を再構築することが出来た。

初演をご覧くださった皆様の期待を裏切らない仕上がりになったと思います。
そして今からアメリカ人みたいなことを言いますが、この作品を中村方隆さんにも捧げます。

作・演出:田村孝裕

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(左から恩田隆一、江端英久さん、中村方隆さん。(劇団公演「パレード」より)


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http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1328235


初めまして、
今回 タカハ劇団さんに
客演することになりました
橋本淳 と申します。

あ、違いますよ。
「じゅん」ではないです。
『あつし』です。橋本淳です。

一応、役者をやっております。
ネットなんぞで調べてみてください、
ほれ、そんなに面倒くさがらずに。


new_写真.jpg
(↑左が橋本です。右のパツパツ半ズボンが伊藤直人。 注:こんなシーンはありません)


稽古がゆっくりと始まりました
まだ試運転のような、ゆるやかなスピードで。

稽古場は、演出家1人に役者が2人
なんだかいいのです、この人数が。
なんででしょう?それは考えても分かりません。
"なんだか"いいのです。

台本を元にエチュードなんぞを繰り返す
最後は、作・演出の高羽さん(心はハト派)
も入って3人で即興。

そうです。観客ゼロでの、不毛地帯。

それでも、なんだかいいのです。


そんな緩やかな稽古場です。



橋本淳

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